将来は翻訳の仕事に
夢を抱いて子育て中/全佳姫さん(28)
4月から女性欄の「それぞれの四季」の筆者になる千葉県船橋市の全佳姫さん(28)。夫の琴健洙さん(36)と一粒種の向芽ちゃん(2)さんの3人暮らし。
佳姫さんは学生時代は新体操の選手として活躍、審判資格も獲得した頑張り屋。卒業後は教員、その後は出版社で勤務したが、結婚・出産を機に子育てに専念中だ。現在は娘を保育園に預けながら九時から5時までパートに出る。
「教員時代は1日の生活が余りにも多忙で、じっくり考える余裕もありませんでした。でも、今、働きながら、娘とゆったり向き合う時間を取るようにしており、この時間が宝石のように大切に思えます」
佳姫さんの1日は夫の出勤が朝6時30分ということもあって、六時起床。夫が朝食を食べている間に、夫と自分の2人分の弁当を作る。娘を7時過ぎに起こして、2人で朝御飯。娘の着替え、布おむつなどをカバンに詰めて登園準備。自分の出勤準備を済ませ、8時過ぎに保育園に。歩いて数分の保育園に送った後は自転車で約15分の会社へ。
佳姫さんには会社の昼時間の1時間が待ち遠しい。朝鮮新報を読んだり、好きな本を読んだりできるからだ。
夕方は5時に娘を迎えに行って、買い物をして、食時の準備にかかり、7時過ぎから2人で夕食。お風呂に入れて、掃除、洗濯を済ませ、9時には向芽ちゃんを布団に入れる。
その後、夫が帰宅する夜10時までの時間が佳姫さんの勉強時間だと言う。「ものを書いたり、言葉を操る仕事に興味を持っているので、子育てが一段落したら、翻訳のような仕事をやってみようと考えています。夢を持ちながら、少しずつ研鑽を重ねていければと思います」。
佳姫さんのアボジは朝鮮大学校文学部元教授の全振龍さん(70)。小さい時からウリマルの大切さを教えられて育った。今も振龍さんはインターネットで多くの人たちに朝鮮語を教えていると言う。老いてなお、エネルギッシュに朝鮮語と向き合うアボジの存在に励まされるという佳姫さん。「今は幼子中心の生活を大切にしながら、夢を実現するために勉強し続けたい」ときっぱり語った。(粉)