本の紹介

「企業倒産」/熊谷勝行 著


 データで探る不況型倒産の実態

 1990年代初頭のバブル崩壊に端を発した「平成不況」は、中小企業を次々と倒産に追いやり、火の手は金融や証券といった日本経済の本丸にまで及んだ。「大した問題ではない」とバブル崩壊が軽視されたことに原因の一端があると見る著者が、この10年間の大量・大型倒産劇の過程と実態を探った。

 帝国データバンクの情報部長を務める著者は、圧倒的なデータ量を駆使して、90年代の倒産件数と負債額の推移、経済の流れと主な企業の倒産への過程を克明に記している。近年の主流である貸し渋りなどによる「不況型倒産」の全体像を分かりやすくつかむことができる。

 また、倒産という事態に対する企業の危機管理の甘さに警鐘を鳴らし、徹底した倒産回避への努力を訴えている。

 巻中では、一般的には分かりづらい「倒産」と「破たん」の意味の違いや、倒産の種類と手続方法なども細かくフォローしていて興味深い。(平凡社新書・217ページ・税別660円)

 ◇くまがい・かつゆき

1944年生まれ。帝国データバンク情報部長

当選者の発表

 6日付読者プレゼントの当選者は次のとおりです。(敬称略)

 チマ・チョゴリ 辛貞愛(京都市右京区)

 ヘナ 許春屋(埼玉県鶴ケ島市)、孫錦弼(千葉県船橋市)、厳潤子(東京都大田区)、李安子(三重県久居市)、権栄華(岐阜県各務原市)

 なお、応募者多数につき、外れた方の中から抽選で10人に「夢市場特製携帯電話ストラップ」をお送りします。発表は商品の発送をもって替えさせていただきます。

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