春夏秋冬


 有名人が登場して「ドゥ・ユー・ノウ・ミー?」(あなたは私を知っていますか)と、語りかけるコマーシャルをご記憶だろうか。米国の大手カード会社のCMである。同社は、一般のクレジット・カードの他にゴールドとプラチナのカードを発行し、それがステータス・シンボルであるようなことも宣伝していた

▼同社のゴールド・カードを長年、使用してきた在日同胞のA氏が最近、同社からプラチナ・カードへの切替を勧誘された。勧められるまま手続きしたところ、しばらくして同社は、プラチナ・カードはおろか現在のゴールド・カードも利用停止すると通告してきた。A氏が米国の経済制裁対象国である「北朝鮮国籍」の持ち主だというのが理由だった

▼米国資本の企業が、米政府の決定に従わなければいけないということは分かるとしても「(同社と米財務省との)交渉の進ちょく状況や結果などをお知らせする旨のものではございません」などと、木で鼻をくくったような対応には、A氏ならずとも憤りを感じる

▼日本でクレジット・カードが普及しはじめた頃、横須賀に住む同胞女性がSグループのカードを申し込んだところ、加入を拒否されたことがあった。その事実を知ったSグループ総帥は、直ちに謝罪し、同様のことが起きないよう周知徹底をはかった。総帥が在日朝鮮人の歴史について、深い理解の持ち主だったことが円満な解決につながった

▼A氏と冒頭のカード会社との問題は、まだ片づいていないが、いったいこのカード会社は、在日同胞のことを知っているのかどうか。「ドゥ・ユー・ノウ…?」 (元)

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