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ここ数年のインターネットの普及は爆発的だが、24日のニューヨークの株式市場で、シスコ・システムズの時価総額が、ついにマイクロソフトを上回り、世界1になった。シ社は、インターネット関連機器メーカーで、同社の世界1は「米経済をリードするハイテク分野の軸が、パソコンからインターネットに移りつつあることを象徴している」(毎日新聞26日付)という
▼確かにインターネットはすごい。瞬時に世界とアクセスでき、様々な情報に接することができる。まさにIT(通信技術)革命と呼ぶに相応しい。が、問題は、その情報が本当に正しいのか、そしてそれをいかに活用するか、である ▼人間が活字を読む(情報に接する)行為には2通りあると考えている。1つは、知りたい欲望を満たすこと。これには知識欲、金融情報、井戸端情報などが含まれる。もう1つは、共感を得るということ。詩や小説などの文学作品、スポーツ紙などもこの範ちゅうに入る。試合結果が分かっていても翌朝、スポーツ紙を買って、ひいきのチームが、かく闘えりと一人悦に入ってほくそ笑むのだ ▼このように分類すると、インターネットは、前者の知りたい欲を満たすのに、大いに貢献していることになり、それがシ社の株価高騰につながっているのだろう ▼だが、いくらインターネットが普及しても、決定的に重要な情報は、人間が握っていることには変わりがない。その決定的情報を一部の人間が操って大儲けしているのだ ▼情報の洪水の中で、本当に必要な情報は何か。真がんをしっかりと見極めることが重要だ。(元) |