在日の歴史、なんでもQ&A

強制連行の犠牲者は?


枕木一本に朝鮮人ひとり=^正確な数は未だ不明

  連行先で犠牲になった同胞がいると聞きますが?

  「枕木一本に朝鮮人ひとり」という言葉はいかに多くの朝鮮人が酷使され、犠牲になったかをよく表しています。

 強制連行された朝鮮人は常に危険と隣り合わせの劣悪な労働条件下で1日14〜15時間も酷使されました。落盤、ガス爆発、高所労働などでケガをしたり、命を落とした人は数えきれません。ある製鋼所の災害統計によれば日本人労働者の災害率0.98%に対し、朝鮮人労働者はその6倍にあたる5.62%という高い災害率を出しています。

 また過酷な労働に耐えられず逃亡した同胞に対し、見せしめにリンチをして虐殺した例もたくさんあります。

 そればかりか、劣悪な生活環境のため栄養失調や発しんチフスなどの病気にかかり死亡した人、橋げたを作るのに人柱としてコンクリートの中に生き埋めにされた人、機密の工事に動員され口封じのため殺された人、そして連行先の広島、長崎で被爆し死亡または傷ついた人など、強制連行による犠牲者、行方不明者の数は計り知れません。

  戦場に連れていかれた同胞はどうなったのですか?

  1938年に兵隊動員として朝鮮に陸軍志願兵制度が適用されます。1943年には海軍志願兵制、その翌年には徴兵制が実施され20万人以上もの朝鮮青年が戦場に駆り出され、多数の戦死者、戦傷病者を出しています。

 軍要員として戦地に送られた同胞のなかにも、連合軍の攻撃を受けて命を失った人が多くいます。このなかには捕虜収容所の監視員にされたことから、捕虜虐待の罪で戦犯にされ、死刑になった同胞さえいます。

 このように連行先であえなく犠牲になった同胞は数多くいますが、その正確な死傷者数と氏名はいまだに明らかにされていませんし、日本政府による納得のいく謝罪や補償もなされていません。
(金大遠、研究家)

TOP記事 健康・趣味 社  会 社会・生活