みんなの健康Q&A

小児科 (3)
―生活習慣病―

神戸医療生活協同組合いたやどクリニック・小児科医
韓希望さん


運動不足、糖分や脂肪のとり過ぎに注意/小児肥満30年間で3倍増

  子供にも生活習慣病があるのですか。

  以前は、高血圧、糖尿病などを成人病と呼んでいましたが、現在では生活習慣病と総称されるようになりました。しかも最近では成人だけでなく、小児期より生活習慣病を発生しやすい可能性のある子供が増えてきています。

  その一例として、肥満の子供が増えているということですが。

  日本ではこの30年間で、小児肥満は3倍と増えており、現在、小学校5、6年生の男子では10%を超えています(表1参照)。

 学童期に肥満を治そうとしても、かなり難しいので、幼児期より予防をしなくてはなりません。また親が肥満である場合、その子供は肥満になりやすい傾向が強いので注意する必要があります。

  肥満にならないためには、何に注意すればよいのでしょうか。

  肥満ならびに生活習慣病の予防としては、表2に見られるように、主に食生活に関心を払わなくてはなりません。また運動不足にも注意することが必要です。

 表3にもありますが、小児の食生活面では年々、問題点が増えています。そのなかでも、とくに糖分、脂肪の摂り過ぎに注意しなければなりません。糖分は、果物も含めて考えなくてはなりません。成人でも、糖分の摂取は、50グラムまでとしていますが、飲料水(スポーツドリンクも含めて)などを加えると、軽く100グラムを超えるのではないでしょうか。

  どのようにしたら糖分(主に砂糖)を減らすことができるのでしょうか。

  まず生後6ヵ月まではほとんで与えないで、6ヵ月〜1歳までは1日10グラムとし、1歳過ぎからは1日20グラムまでとすることです。

 また幼児期から甘味に慣らさせず、なるべく与えないようにしましょう。おやつを与える時間を1日1〜2回に決め、それ以外は甘味を与えるのを止めましょう。清涼飲料水を買い与えることや、とくにケース単位の買い込みは止めて下さい。

  生活習慣病の予防はどうすればよいのでしょか。

  主なものを箇条書きすると、つぎのようになります。(1) 戸外で十分に遊ばせる(2)食品は偏らずに幅広く摂るようにする(3)糖分(主に砂糖)、塩分、脂肪を摂り過ぎない(4)カルシウム、植物繊維は充分に摂る(5)腹8分目にする(6)親は、家庭内でタバコを吸わない。以上のことに気を付けて、子供が生活習慣病にならないように気を配ってあげて下さい(おわり)。

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