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ヒト遺伝子を6万5千個発見/米企業が発表、情報販売

 米カリフォルニア州の生物情報科学ベンチャー企業、ダブルツイスト社は8日、「ヒト遺伝子を約6万5000個発見し、インターネットで情報提供を始める」と発表した。

 価格は年間500件の分析サービスを受けるのに1万ドル、遺伝子情報全体を買うのに65万ドルなど。大学の研究者には割引きもある。

 同社は人の全遺伝情報(ゲノム)を解読する日米欧の国際プロジョクト、ヒトゲノム計画で公表された情報をスーパーコンピューターで分析した。ヒト遺伝子はゲノムの中に約10万個あると推定され、これまでに公表されたのは約1万個。遺伝子情報に基づく病気や薬開発の研究が加速するとされる。

 ヒトの遺伝情報は、4種類の塩基と呼ばれる物質が文字のように並んでDNAに書き込まれている。ヒトゲノム計画は、約30億個ある塩基の配列をすべて読んでしまおうというもので、日本や欧米などの公的機関はすでに80%以上を読み終え、配列情報を公開している。

変わる発がん物質/米国研がリスト見直し、間接喫煙も追加

 米国立環境保健科学研究所は15日、発がん物質に関する第9次報告書を発表。人工甘味料のサッカリンを発がん疑いのある物質のリストから外す一方で、間接喫煙の煙や日焼けなど14項目を発がん物質として追加した。

 リストは2年ごとに見直されている。サッカリンはネズミの実験でぼうこうがんが出来たことから、発がん疑いのある物質として1981年にリストに掲載された。しかし、サルの実験では発がん性が認められなかったことなどから、否定的な見方が強くなっていて、今回外された。

 一方、ある種のがんを起こすことが知られているアルコール摂取や、ディーゼル車の排ガスに含まれる粒子状物質も発がん物質に挙げられた。

 乳がん治療に日本でも使われているタモキシフェンも、子宮がんの危険があるとリストに加えられた。ただ、治療効果も明らかで利点の方が高い可能性があるとしている。

日独チーム、21番染色体の解読を完了/アルツハイマー病治療などに期待

 人の全遺伝情報(ゲノム)の解読計画に参加している日独の国際共同チームは8日、人の染色体の1つである21番染色体の解読を完了したと発表した。

 人の染色体は23対あるが、染色体の全容が分かったのは22番染色体に次いで2つ目。

 21番染色体上には、アルツハイマー病や急性骨髄性白血病などに関する遺伝子が少なくとも225個存在することが分かり、今後、詳細な病気の原因解明や治療法の開発が進むと期待される。

 解読は、理化学研究所ゲノム科学総合研究センターの榊佳之プロジェクトディレクター(分子生物学)や清水信義・慶応大教授(同)の日本チームと、マックス・プランク分子遺伝学研究所などのドイツチームが共同で行なった。

 21番染色体には、ダウン症や先天性難聴、そううつ病などの関連遺伝子が存在すると考えられ、今後、研究が進められる。

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