春・夏・秋・冬

 朝鮮半島上空が民間航空機に開放され、3年が過ぎた。軍事境界線をはさみ大軍がにらみあう状況下で、緊張緩和への1つのステップになる、と当時、期待感を込めて語る向きが多かった

▼北京からいっきに北上し、海州(北)と仁川(南)の間を仁川寄りに横切って東海(日本海)上空に至る様に、「着実に時代は変わりつつある」と、深い感慨を覚えたことがある。最高位級会談では空路も使われる。変化に確実に拍車をかけることになる

▼その変化を語るうえで、東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)への朝鮮の参加は、節目の出来事になる

▼ARFの目的は、安全保障や紛争問題など、この地域に関わる事柄について意見交換し共通の解決策を見つけ、その実行を促す点にある。議決権限はないので、じっくりと腰を下ろして論議していくことになる

▼それぞれが危ぐしている問題を提起し合い、それを取り除いていくことに努力を傾けていくことになるが、この方式を先取りしたのが昨年9月にペリー前国防長官が発表した朝米関係改善の新たなプロセスである

▼ペリーは昨秋のあるシンポで、対北政策と関連して、戦域ミサイル防衛構想よりも、外交の積み重ねを優先すべきだと、日本をけん制した。94年春の「朝米戦争危機」の当事者だけに、その指摘には重みがあった

▼その彼が提起した幅広い朝米対話。つまり、「朝鮮が地域の隣国と正常な関係を樹立し、経済、ビジネス、貿易関係も持つことをバックアップする」。ARF参加はそれを促すことになる。  (彦)

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