私の会った人

林亮勝さん


 大正大学前学長で日朝文化交流協会(日朝文交)の林亮勝理事長。このほど実現した55年ぶりの歴史的な南北朝鮮の首脳の出会いを千秋の思いで待ちわびていた1人だ。今、病床にあるが、夫人は「どんなに喜んでいるか分かりません。元気であればみなさんと祝杯をあげるでしょうに」と語る。

 3年前、70歳の誕生日を迎えた時、金正日総書記から花瓶と人参酒が贈られたことがある。

 当時、林さんは思いもかけなかった贈り物に顔をほころばせ、「気にかけて頂いてうれしく思います。様々な困難を乗り越えて、総書記がお元気で、人民と共に歩んでいくことを心より祈っております」と語っていた。

 林さんがジャーナリストの故高木健夫氏と共に初めて訪朝、故金日成主席と会見したのは1975年5月10日。

 「主席と昼食を挟んで7時間、ご一緒しました。その時、話された抗日武装闘争時代のエピソードが、後に高木さんの名著『白頭山に燃える』に載っています」

 主席との幸せな出会いの後、共和国や在日朝鮮人に多くの友人ができた。それが縁で90年、日朝文交理事長に就任。

 「人間とは知り合うことが大切。人と人との関係が、国と国との信頼にも結びついていくと思います。両国の人々が互いの文化を尊敬して、学び合ううえで、これからも日朝の文化交流の橋渡しをしていきたい」と語っていた。1日も早い快癒を祈りたい。 (粉)

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