投  稿

シンボ通じて出会った山の友


 阪神トンポ(同胞)登山会の第11回定例登山が5月28日、滋賀県琵琶湖の南、金勝(こんぜ)アルプスで行われた。

 事前の天気予報では、土日にかけて前線の通過により、海山とも大荒れの天気になるとのことだった。

 しかし、その結果は、予想を大きく上回るものだった。

 この日の山行きは、「チョソンシンボ(朝鮮新報)」のイベント案内の欄に紹介された。記事を見た京都の金鐘立さんから5人ほど参加したいとの申し込み、また、大阪の金明江、洪春喜さんからも登山参加の電話があった。

 集合場所に着くと、阪神トンポ登山会でも高齢の南務さん、参加が初めての権寧淑さんと、2回目の参加となる宋寿美さんの3人がいた。阪神トンポ登山会からの参加は結局、私を入れて4人である。

 大阪から参加する方は顔も知らない人だったので、「阪神トンポ登山会 金勝アルプス登山 本日決行」と書いた紙を持って予定した快速電車に乗った。快速電車が大阪に入ると、その紙を膝に持って辺りを見回した。すると、発車してまもなく登山スタイルの中年女性が私に近づき、あいさつをした。金明江さんだった。無事合流した私たちは雑談をしながら、車内で楽しいひとときを過ごした。

 草津駅で降り、改札を出たところで洪春喜さん、金英子さんと合流できた。バスで登山口の上桐生へ、ここで京都の金鐘立さんと合流。事情で京都からの参加は金さん1人だった。

 かくして関西3県のトンポ山好きが8人、登山を開始。

 少し歩くと落ガ滝に着いた。なかなか迫力のある滝である。ここで初めて記念撮影。

 ここからの道は渓流を左右にう回しながら進む。岩を越えたり、面白い道だ。

 登りきって北峰縦走路出合に着く頃、天気は回復し、青空になっていた。ここからは奇岩、奇石を眺めながら稜線を歩く。琵琶湖の南部が一望、比叡山、蓬莱山や石山、大津が確認できる。近江富士と呼ばれる三上山もくっきりと見えた。30分ほど歩いて金勝アルプスのメインストーン、天狗岩に到着した。

 天狗岩取り付き近くで昼食。私はコンビニで調達した食事だ。でもほかのみなさんは手作り。キムチなどウリパンチャン(朝鮮のおかず)を交換してもらい、味と雰囲気が格別な昼食になった。

 それぞれが参加する登山会の話に花が咲いた。今回の参加の経緯はそれぞれ違うが、会員外の参加者全員がチョソンシンボの切り抜きを持っていた。連絡用のために携帯しているらしい。13行ほどの記事でもちゃんと読んで切り抜きを持ち、参加していることを知り、改めて、シンボをよく見ている山好きがいることを実感した。かく言う私も阪神トンポ登山会発足から2年間、シンボに載った登山関係の記事はすべてスクラップしてある。

 その後、私たちは今回唯一のピーク、竜王山(605メートル)を往復して下山。途中で狛坂磨崖仏を見る。遠い昔、高句麗の渡来人が彫ったと言われる石仏を感慨深く見つめ、竹林から林道へ下山を急いだ。

 次回からの登山案内を送ること、また一緒に山登りに行く約束をして別れた。

  少人数の山行きであったが、天気にも恵まれ、シンボのおかげで新しい山の友を知り合った忘れられない登山となった。
(阪神同胞登山会・徐根植)

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