「トンポ就職情報センター」発足

総聯本部・支部と連携、幅広く求職・求人サポート


 在日同胞の就職と同胞企業の人材確保の促進に努める「トンポ(同胞)就職情報センター」が6月27日に発足し(写真、第1回協議会)、9月の本格始動に向けて現在、準備が着々と進んでいる。長引く不況下、就職と雇用の問題は同胞にも深刻な悩みだが、専門のセンターを立ち上げて集中的に取り扱うのは初の試み。各地の総聯本部・支部などと連携して情報を幅広く収集・提供、求職と求人の両面から同胞をバックアップする。

同胞と企業の接点を/9月に情報誌、HP開設へ

 この日、センター発足に伴う第1回協議会が東京の朝鮮出版会館で開かれ、この間の準備状況の報告と、今後の活動に関する説明が行われた。総聯中央の呉亨鎮副議長、同センターの趙纒恟樺キと金知勇事務局長、協議会メンバーである商工連や朝青、留学同など各機関、朝大、朝高などの代表らが出席した。

                                           センターのコンピュータールームを見て回る協議会メンバーら

 協議会では趙所長が、昨年9月の総聯中央委員会第18期第3回会議拡大会議で専門機関の発足が決定して以降の経過について報告。続いて金事務局長が、当面の活動計画を明らかにした。

 呉副議長はあいさつで、失業者の増加と社会不安は同胞社会にも大きな影響を及ぼすと述べ、深刻化する就職問題に真っ正面から取り組む必要性から、専門機関の発足に至ったと指摘。同胞と企業の接点として、同胞に真に奉仕し、同胞に愛されるセンターを目指そうと語った。

 同センターの活動内容は、△就職情報の収集と提供 △人材あっせん △情報交換の場の提供 △宣伝活動 △対外活動――の5つ。地方組織は設けず、総聯本部・支部、同胞生活相談綜合センターとのタイアップで地域への浸透を図る。したがって、求職・求人活動における同胞との実質的なやり取りでは、地元の組織が大きな役割を担うことになる。

 今回の発足を踏まえ、同センターでは本格始動に備えて準備を始めている。当面、基礎資料となる求職・求人情報を、8月末までに合わせて1000件を目標に収集。求職情報は来春卒業予定の同胞学生からリサーチし、求人情報は同胞企業はもちろん、日本企業や外資系企業からも募って行く。秋には企業説明会も開く。

 一方で、専門就職情報誌の創刊とホームページ(HP)開設の準備も進行中だ。「2000年秋号」を発刊する情報誌「イルト(職場)―21」(仮)は、質量ともに「既存の就職情報誌を超えるレベル」(金事務局長)を目指す。HPは更新頻度を高めるとともに、関連HPへのリンクを強化する。いずれも9月にお目見えする予定で、それをもって本格的に業務開始となる。

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 詳しい問い合わせは同センター (電話・ファクスとも03・5840・5222)へ。

誠心誠意で対応/趙纒恟樺キの話

 同胞社会を取り巻く環境は、急速に変化している。何より、景気が不安定なこともあり、就職問題は同胞にとって深刻な悩みの種になっている。同胞に真に奉仕する、同胞のための組織というスタイルを築いていくには、この問題を専門に取り扱うセンターが必要不可欠である。

 日本社会は今、需要(求職)に供給(求人)が追いつかない現状にある。こうした中で同胞の就職問題を解決するというのは、決して簡単な作業ではない。

 当センターでは企業に雇用促進を呼びかけ、就職において民族差別がないよう、強く求めていく構えだ。

 卒業を控えた同胞学生の就職問題はもちろん、若者がより幅広く国際舞台に進出できるようにする手助け、専門知識を備えた人材の発掘にも力を入れていく。また、倒産やリストラで職を失ったり、定年を迎えた同胞中高年の再就職、女性のパート先探しにも精力的に取り組んでいく。

 センターを頼って訪ねてくるすべての同胞に、誠心誠意で奉仕していきたい。 (談)

 

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