第1回 東京朝高文化祭

ー ウリハッキョの取り組み −

日本の友達と一緒に「ハイ、キムチ!」


初体験、民族学び伝えた
日本の高校生たちとの交流/視野広げルーツ再確認

 「みんな朝鮮の文化を伝えようと一生懸命なんだね」、「チョゴリってふわふわしてとってもきれい」、「チェサの料理っておいしい」――6月24日、東京朝鮮中高級学校で開かれた「アンニョンハセヨ!2000!第1回学生文化祭」に訪れた日本の高校生らは口々にこんな感想を述べた。「民族性」をテーマに初めて開かれた文化祭には、1000人を超える見学者が訪れた。朝高生たちが得たものは。

チェサ、ペンイ、テコンドー、チョゴリショー、プルコギ、トックの屋台も

   文化祭では、民族教育の歴史をつづったパネルの展示、チェサ(祭祀)、ペンイ(コマまわし)などの体験コーナー、テコンドーの演武にチョゴリファッションショーに、プルコギ、トックなどの屋台も並び、朝鮮の伝統、民族の歴史を紹介する出し物が目白押しだった。文化公演、日本学校との親善試合も行われた。

「トック(朝鮮の雑煮)はいかが?」

 「日本の高校生に僕たちの民族や歴史についてもっと知ってもらい、同世代同士、交流を深めていきたい。そうすれば朝高生の視野もさらにひろがるだろうし、自分たちのルーツを再確認するきっかけにもなると思う」と、同校学生委員会委員長の河鐘基くん(17、高3)は語った。

◇          ◇

 出し物の1つ、「チェサ体験コーナー」を
のぞくと、教室内では、実際にチェサが
再現されていた。チョル(礼)を体験してもらい、それが終わるとチェサ料理の試食。作法を教えていた鄭誠徳くん(17、高2)は、「最初は反対意見が多かった。死んだ先祖を祭る行事だというくらいの知識しかなかったので、みんな暗いイメージを持っていた。家でチェサをやっている子もクラスで3〜4人しかいなかった」と語る。
                                                        「クンチョル(礼)って結構ムズカシイ・・・」

 一からの勉強だった。料理も各自で分担し、本を読んだり、オモニに教えてもらいながらできる限り自分たちの力で作った。魚を担当した女子生徒は、「大きな魚に塩を振ってまるごと焼くのがすごく大変だった。当日持って来る時も電車の中で魚の匂いが漂い、恥ずかしかった」と言う。

 「準備をするうちに、チェサのイメージが変わった。準備は大変だったけど、一生懸命作った料理をみんなで食べてとても楽しかったし、こうやって先祖を敬いながら一族のきずなを深めて来たんだということを実感した。今、家ではしていないけど将来大人になったら、今日のことを思い出してやってみたい」と、満足げな表情を見せた。

 埼玉県岩槻高校2年の青木瞳さん(17)は、「チョルの決まりが色々あり、難しかったけど面白かった。今日はたくさん友達を作りたい」と言いながら、山のように盛られたチェサ料理をほおばっていた。

◇          ◇

 帝京高校3年の男子生徒は、「ペンイをうまく回せた」と、得意げだ。近くに学校がありながら訪れるのは今回が初めてだという。「今度はうちの学校祭にもぜひ来て欲しい」と語っていた。

 文化祭には、欧米人の顔もあった。

 ライネル・ウィギンズさん(26)はカリフォルニアの大学職員。学生らとともにワークショップのため来日し、たまたまビラをもらったという。

 

「もっと在日について知りたい」と米大学生たち

 「日本で生まれ、民族を継承していくということは想像以上に大変なことだろう。基本的に、生まれた国の国籍が与えられる制度をとっている私の国では想像できない光景。これからもっと在日朝鮮人について知りたい」

 精一杯民族を学び、伝えようとした東京朝高生たち。普段は日本の高校生らとなんら変わりない日常を過ごしている彼らも今回の文化祭を通して、改めて自分たちの歴史や伝統を見つめ直したようだ。チョゴリを着て「ウリ民族」を語る姿はとても誇らしげだった。
(李明花記者)

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