在日の歴史、なんでもQ&A

協和会とは何ですか?

京都府協和会宇治山田支部の勤労奉仕
(社会評論批判「協和会」より)


在日朝鮮人の統制と抑圧が目的
解放前、治安対策、日本人化、皇民化図る

  解放前、在日朝鮮人を統制する組織があったと聞いていますが。

  協和会のことです。協和会は在日朝鮮人の統制と抑圧を目的に創られた組織です。

 在日朝鮮人対策組織としては、すでに内務官僚の指示を受け、親日派朴春琴らが結成した相愛会(1921年)があり、朝鮮人を同化するための活動を展開していました。また、関東大震災の朝鮮人虐殺後、「内鮮融和」を目的として大阪、神奈川、兵庫に内鮮協会が創られました。

 さらに36年に政府の指示で、朝鮮人の多い府県に地方協和会が設立されます。そして39年、内務官僚関屋貞三郎を会長とする中央協和会が設立されるとともに、各府県には府県協和会、警察管区ごとの支会、そのもとに分会が結成され、朝鮮人の住むすべての管内に協和会が張り巡らされました。

  では協和会はどんな活動をしたのですか?

  協和会の任務は、戦時下の在日朝鮮人に対する治安対策と、朝鮮人の日本人化、皇民化をはかることにありました。

 協和会は支会長が警察所長、幹事長が特高課長、幹事は特高課内鮮係というように治安担当者らによって組織されていました。そして朝鮮人指導員・補導員を置き、彼らを通じて朝鮮人の言動を隅々まで監視、統制するようになっていたのです。

 また、写真や住所、氏名など本人確認の項目と、君が代、皇国臣民の誓詞が記された、協和会手帳の所持を義務づけました。手帳を所持していない場合、強制連行労働者の逃亡でないかと疑われたり、雇用しないなどの処置もとられたそうです。

 一方、創氏改名、神社参拝、神棚設置や、日本語の使用、日本式礼儀作法、和服着用など各種皇民化講習会への動員も協和会が組織的に推進しました。

 解放後、朝鮮人のなかで、朝鮮語を話せなかったり、多くの朝鮮人が「通名」を名乗るようになったのは、協和会の統制によるところが大きいと言えます。 (金大遠、研究家)

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