在日の歴史、なんでもQ&A
解放前、在日の運動は?
「抗日パルチザンに呼応を」/「強制連行者の労働争議も Q 解放前の在日朝鮮人運動について教えてください。 A 祖国が植民地にされた1910年以降、在日朝鮮人は様々な形で民族解放運動、生活権擁護運動を繰り広げてきました。植民地時代の初期は留学生やキリスト教徒たちの運動が基本でしたが、20年代〜30年代にかけては思想団体、労働団体が続々と結成され、運動も一層活発に展開されていきます。 そして40年代、太平洋戦争開始以降は、日本帝国主義の敗北と朝鮮の解放を確信した在日朝鮮人による「非合法」活動や、朝鮮人強制連行者によるたたかいが行われています。 そこで、40年代を中心に当時の運動を見ることにします。 特高警察がまとめた「特高月報」の治安維持法違反事件報告を見ると、多くの同胞が朝鮮独立の思いを語ったり、そのための運動を行っていたことをうかがい知ることができます。 祖国解放を目前にした45年2月、福岡刑務所で獄死した詩人、尹東柱もその1人です。尹は朝鮮民族が民族文化を通して民族意識を自覚するようになれば、朝鮮独立は可能であるという希望を語ったという理由で検挙されています。 また、「金日成の下に馳せ参じ朝鮮の為に働くべきだ」(「特高月報」44年3月分)、「日本の敗戦を強調、金日成の独立運動に呼応すべきなり」(前掲書、44年8月分)など抗日パルチザンに積極的に呼応しようとする動きも見られました。 さらに強制連行されてきた朝鮮人労働者による、自然発生的な労働争議や集団逃走なども多発しました。 例えば、44年1年間の朝鮮人によるストや怠業、直接行動といった労働争議は約300件にのぼり、ほとんど毎日どこかで争議が発生していたのです。また強制連行者の逃走率も35%に達していました。 以上のような在日朝鮮人の様々なたたかいは、朝鮮の解放を早めることに大きく寄与したといえます。(金大遠、研究家) |