春・夏・秋・冬

 「ウェイトリフティングとボディビルは、似てるんだろう。だったらボディビル愛好家は多いから、彼らもメンバーにすればいい」――。先週、在日本ウェイトリフティング協会結成パーティーで、ある先輩からこう話しかけられ、「そうですよね」と答えてしまった

▼ここで止めておけばよかったのだが、知ったかぶりする生来の性格のせいか、盛り上がったパーティー会場で、協会の理事長に先輩の説を受け売りした。「……」相手が怪訝(けげん)そうな眼差しを返してきたとき、顔が一気に火照り、自分の性癖が呪われた

▼「ウェイトリフティングとボディビルは、まったく違うんですよ」。理事長は、筆者の狼狽(ろうばい)ぶりを見ぬふりして、優しく諭してくれた。ウェイトリフティングは瞬発力を利用して、バーベルを挙げる、ボディビルは力を連続して持ち上げる、だからボディビルのやり方でバーベルを挙げても、試合では認められないんです、と

▼「それだけじゃない。ウェイトリフティングをすると、背が伸びないというのも間違いです」とも教えてくれた

▼実は、高校記録を次々と塗り替えている北海道朝高の朴徳貴君は、同理事長の子息だ。当初、背が伸びないのではと心配したが、ウェイトリフティングをして、20センチも伸びたという。「だからもっとウェイトリフティング協会のことを、もっと正しい知識を宣伝してくださいよ」

▼赤面が、アルコールの酔いに変わった頃、筆者はウェイトリフティングの素晴らしさに目覚め≠トいた。また1つ体連の種目別協会が船出した。 (元) 

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