中大阪同胞のメーリングネットワーク
「KT―Net」発足
同胞社会にIT革命を
パソコン教室もオープン Eメール通じて「新たな形の交流手段」 「同胞社会にIT(情報技術)革命を」――。 こんなスローガンを掲げたプロジェクトが、大阪で進められている。 同胞パソコンユーザーを電子メールで結び、ネット上での情報交換を通じて交流を図ろうという、中大阪地域のメーリングネットワーク「KT −Net」(ケーティーネット)。 同胞社会でもITへの注目とニーズが高まるなか、組織的な同胞メーリングリストの作成は全国的にも初の試みとあって、関係者は「中大阪をネット発信基地に」と意欲的だ。
KT−Netを立ち上げたそもそものきっかけは、中大阪初中の卒業生が今年4月、「民族教育の発展と次世代に合った人材育成のため、学校発展に寄与したい」と、パソコン16台を同校に寄付したことから始まる。そのうち、生徒の父兄から「子供にパソコンを教えられるようになりたい」という声が上がり始めた。 ビギナーにも易しく パソコンを持っている人には、協賛団体からユーザーに呼び掛けて入会を勧める。メールアドレスをすでに持っている人には、直接、メンバーズカードを発行し、メールアドレスをリストに登録、管理する。 この日の内容は、メールアドレスの取得方法と、メールの背景にお気に入りの写真を透かして入れる「透かし便せん」の作り方。参加者のほとんどはまったくの初心者で、「ダブルクリックってどっちのボタンを押すんですか」といった率直な質問が飛び交ったが、丁寧な教え方で難しい操作を一つ一つ解説する兪さんの語り口に「さすがプロ」との声が多く上がった。 初参加の孫孟荀さん(33、東成区在住)は、「同胞が教えてくれるので来やすいし、楽しい授業でためになった。遠くにいる同胞と連絡を取れれば、パソコンの面白さがより増すと思う」と、感想を語っていた。 会員1千人が目標 パソコン教室では、インターネットと電子メールの使い方を中心に、毎週金曜日に開き、次週の水曜日には、参加できなかった人やより学びたい人のためのサポート講座を開く。夏には学生を対象にした短期集中講座も開く予定だ。 総聯東成支部の金容俊委員長は、「パソコンを通じたネットワーク作りは、新たな形の同胞社会発展の手段。同胞ネットワークの拡大に向けて、中大阪が他地域の先べんを切れればと思う」と、抱負を語る。 集まって直接会話する従来のコミュニケーションとは違った方向からのアプローチに、同胞の期待は高まっている。(柳成根記者) |