東京第9アボジ会・杉並第1すぎいち会主催
昔話「さんねん峠」上演
劇団花かご
舞台と客席がひとつに 「さんねん峠でころんだら3年しか生きられない」 場内は大爆笑。出演者のリズム感あふれる演技で、舞台と客席は1つになっていた。 劇団・現代座「花かご」によるうた芝居「さんねん峠」が東京朝鮮第九初級学校アボジ会、杉並区立杉並第1小学校すぎいち会の主催で22日、杉並公会堂で行われた。 日ごろ、交流を通して親ぼくを深めてきた両校の父親たちが、子供のため、地域の朝・日交流の促進をはかるため企画した観劇の集いを、両校の生徒らと父兄、地域の日本学校の生徒、住民ら約400人が観覧した。彼らと共に、絵本「さんねん峠」の作者である李錦玉さんと原画を描いた朴民宜さんも同席した。 15年間も関東近辺を中心に「さんねん峠」を演じ続けてきた「花かご」のメンバーらが楽しい歌とチャンゴのリズムにのって昔話を再現する。 おじいさんが杖をついて「ヨンチャ、ヨンチャ」と、さんねん峠を越えながら急ぎ足になる場面では、何か緊張した空間が生まれた。そして転んで沈み込んでいるおじいさんに、トルトリが「もう1度転ぶと6年、そして、何度も転ぶと何十年と、長生きできるよ」の語りかけで、ホッとした笑いが起こる。 クライマックスは、さんねん峠でおじいさんが勇気を出してもう1度転ぶシーン。半信半疑で転んだおじいさんが、地面に体を伏せたまま顔を上げ、ニコッと笑って「何だか気分がよくなってきたぞ」とつぶやくと、生徒らがゲラゲラ笑い転げていた。 |