被害者の尊厳回復を
戦後補償問題でシンポ
東京
戦後補償実現!FAX速報300号突破記念シンポジウム「戦後補償・到達点と課題を考える」(主催=戦後補償ネットワーク)が17日、東京・飯田橋のシニアワーク東京で行われた。
シンポジウムでは、「最近の戦後補償裁判の動向と課題について」と題して「戦後補償問題を考える弁護士連絡会」の高木喜孝弁護士が報告。11日に成立した不二越訴訟の和解や、米国で起きている日本企業を対象にした損害賠償訴訟、ドイツでの強制労働被害者に補償金を支払う財団の発足など、世界の動きを報告した。 「韓国・朝鮮人BC級戦犯者の補償立法をすすめる会」の共同代表を務める今村嗣夫弁護士は、「『条理』に基づく請求と立法運動について」と題して報告を行った。 今村弁護士は、「戦争という国家の行為によってもたらされた重大な人権侵害に対して、戦争を遂行した国の政府が正義の立場に立って自国の不正義を率直に認め、謝罪し、可能な限りの補償をすることは、国際社会における『条理』」と指摘しながら、被害者の尊厳回復をはかる立法運動を進めていく考えを示した。 神戸大学大学院の戸塚悦郎助教授(弁護士)は、今年4月、民主党が国会に提出した元「従軍慰安婦」被害者救済法案について言及し、「被害国も日本政府による謝罪と賠償が明記された法案を支持した。(政府の)民間基金では加害国日本と被害者との和解ははかれない」と指摘。今後、法案が成立されれば被害者との和解が促進されるだろうと述べた。 |