健康事件薄


遺伝子提供をネットで呼びかけ

 米国のベンチャー企業、DNAサイエンス社(本社=カリフォルニア)が1日、インターネット上で市民に遺伝子の提供を呼びかけ、この情報をもとに糖尿病や乳がん、心臓病などの原因となる遺伝子を発見するビジネスを開始した。

 インターネット上で一般市民に血液の提供を募り、申込者があった場合、個人と家族の病歴を調べたうえで、医療スタッフが血液を集める。

 提供者に対する報酬はなく、(遺伝子から得られたデータなどによる)成果は大学などの研究機関や製薬会社、保険会社などに売却し、病気の原因解明や薬の開発に役立てるという。(読売新聞2日付)

雪印食中毒で厚生省が安全宣言

 雪印乳業(本社・東京都新宿区)の大阪工場で製造した低脂肪乳などによる集団食中毒事件で、津島雄二厚相は2日夕、同社の乳処理関連施設について、事実上の 安全宣言 を行った。

 同省は先月25日、他の10工場についても同様の 安全宣言≠出しており、厚生省はこれで同社が閉鎖を決めている大阪工場を除く全20工場すべての安全性を確認した。(東京新聞3日付)

骨髄性白血病の遺伝子治療で新手法

 工業技術院産業技術融合領域研究所(茨城県つくば市)と東京大医科学研究所の共同研究グループは、慢性骨髄性白血病の遺伝子治療に新しい手法を開発し、マウスでの実験に成功した。白血病細胞に特有の遺伝物質を破壊し、細胞を死なせる仕組みで、ほかの白血病やエイズなどへの応用も研究中だという。(毎日新聞3日付)

JTなどの妨害工作をWHOが告発

 世界保健機関(WHO)の専門委員会は2日、米国のフィリップ・モリスや日本たばこ産業(JT)など大手たばこ会社が豊富な資金力を利用し、WHOなどさまざまな国連機関の反たばこ政策への組織的な妨害工作を行っていたと告発する報告書を発表した。

 JTについては、1987年にWHO総会が日本で開かれた際、JTが資金を提供した科学者を最大で40人出席させようとしたり、これらの科学者に「中立的な」報告書を提出させて「総会の流れを変えようとした」と明記した。

 JTは2日、「いかなる研究者に対しても、当該会議に出席を要請したり報告書を提出させたりした事実は一切ない」とのコメントを発表した。(東京新聞3日付)

筑波大付属病院で患者取り違え

 茨城県つくば市の筑波大付属病院で先月、肺の感染症の患者と肺がん患者を取り違え、感染症患者に誤って肺の切除手術をしていたことが3日、分かった。2人の患者の検査標本が取り違えられたのが原因らしい。病院側は3日になって、県と文部省に報告した。(朝日新聞4日付)

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