大検が年2回に

科目数減、日程も短縮

文部省、来年度から実施


 大学入学資格検定(大検)が、現行の年1回実施から年2回実施となる。また合格に必要な科目数も、現在の11〜12科目が9〜10科目に、日程も現在の4日間が2日間程度に短縮される。大検制度の改善に関する文部省の協力者会議が9日に提言したもので、来年度から実施される。

 経済的な理由などから高校に進学できなかった勤労青少年に大学進学の道を開くことを目的に発足した大検だが、現在では高校中退者が受検者の主流を占めるようになり受検者は年々増加。先日行われた今年度の検定には過去最高の2万1288人が出願した。また朝鮮学校をはじめ、大学受験資格を正式に認められていない外国人学校の生徒が、主に国立大を受験するためにも利用されており(過半数の公私立大は朝高生らの受験資格を独自に認定)、今年度は388人が出願した。

 文部省によると、今回の措置は@受検者の態様の変化、多様化A2003年度から高校で新学習指導要領実施B大学入試の多様化、受験機会の複線化――など、時代のニーズに対応したものだ。

 大検は、1度に全部合格しなくても次年度以降、不合格分だけ受け直せばいい仕組みだが、年に1回の現行制度では、1科目でも不合格の場合、翌年まで待つことになる。このため、受検機会の複数化に対する要望が多かった。実施時期は、来年度は取りあえず8月と11月になる見込み。再来年度以降については、来年度以降再検討する。

朝高生にはなお重荷

 今年度から受検資格の「中卒以上」が外され、朝高生は通信・定時制高校に在籍する「ダブルスクール」を行わなくても大検受検できるようになった。

 さらに今回の措置によって来年度以降、国立大を目指す朝高生の負担がいっそう軽減されるのは事実だが、そもそも日本の高校と同レベルの教育を受けている朝高生に大検というハードルを科すこと自体が不当だ。朝鮮学校処遇の抜本的改善が望まれる。

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