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「良質でも格安」 他店を圧倒
焼肉「正泰苑」(東京・荒川区)
焼肉店経営のノウハウを繁盛店から学ぼうと、先月17、18日に催された「繁盛店見学会」。二十数人の同胞店主が実際に食べた感想を言い合うなか、同胞焼肉店の将来について、ひときわ熱く語っていたのが、東京都荒川区「正泰苑」(しょうたいえん)の店主、金日秀さん(31)だ。5年前に両親から店を継ぎ、妻や従業員らと切り盛りする。
和牛100%、独創料理にも個性光る 今年4月には、店内を倍の広さに改装。オープンキッチンを設けて、従業員と顧客の「近さ」を演出した。駅から徒歩10分と立地条件は良くないが、来れば必ずというほどリピーターになるそうだ。 好評の理由は、コストパフォーマンスの高さと斬新なメニュー。安いが「味はそこそこ」な激安店に対抗し、同じ値段でも良質で十分に満足でき、かつ「必ずリピーターになってもらえる」ことに重きを置いた。 メニューを見ると、目を引くのがオリジナル料理の数々。ロース刺、和風ユッケ、ホタテ貝の朝鮮のり巻きと、店長いわく「実験的な」料理が顧客を引きつける。価格も全体的に抑えめで、1350円の上カルビは「地元の他店より安い」と人気だ。 数が出る肉やキムチは安めに、注文の少ない料理は平均か少し高めに設定することで、トータルの価格を抑え、例えば「1人3000円で腹いっぱい食べられる」という印象を与える。ただ安いのではなく、また来たいと思わせる満足感、安心感を与える工夫が随所に施されているのだ。 不況下で伸び悩む外食産業にあって、激安フランチャイズ店が市場をけん引する焼肉業界。金さんは「激安店に同胞が対抗するには、常に新しいものを生み出す工夫が不可欠」と指摘する。 他店の同胞とも交流を続けている金さん。「ほかで3回食べるより、うちで1回食べたいと思ってもらえる、魅力ある店にしたい」と、抱負を語る。(柳成根記者) ◇ ◇ 荒川区町屋8−7−6 рO3・3895・2423 |