中国朝鮮100年の歴史を見る

ソウルで写真展示会


 中国朝鮮族百年の壮大な歴史を写真で見る「忘れられた痕跡――柳銀珪所蔵写真展」(A.P.C.コリア主催)が10日から21日まで、ソウル市の世宗文化会館世宗ギャラリーで開かれている。

 17世紀に始まった朝鮮半島から中国への人々の移動は、19世紀後半に日本の中国大陸および朝鮮半島への侵略政策とともにその数は増加し、現在は約200万人が「朝鮮族」という少数民族として中国に定着している。

 同写真展は、移住初期から1970年末までの史料写真を通して、100年にわたる中国朝鮮族の歴史を振り返るものだ。共産主義系列の抗日独立運動、中華人民共和国建国直後の朝鮮族の暮らし、朝鮮戦争時の中国人民志願兵として参戦した人々など、ほとんどが初めて公開される写真だ。これらは、写真家の柳銀珪さんが長年にわたって現地に足をはこび、収集してきたものだ。

 柳さんは言う。「解放後、中国朝鮮族と南の人々とはほとんど何の交流もなかったが、92年に南と中国が外交関係を結んだ後、交流がはじまり、互いに行き来するようになった。展示を通して100年にわたる朝鮮族の歴史を振り返ることで、『同胞』としての交流ができるように望んでいる」。

 柳さんは、93年から2年余り、黒竜江省ハルビンに住みながら、多くの朝鮮族と知り合った。そこで、都市に住む若い朝鮮族が朝鮮語や朝鮮の文化、歴史についても知らず、漢族に同化しつつあることを知るようになる。とくに、親が死ぬと当然のように昔の写真を焼き捨ててしまう朝鮮族を見て、貴重な歴史資料が急速に消滅していくことに危機感を抱き、「今、集めなければどんどん失われてしまう」と、写真家として民族の足跡を記録し、保存する旅を続けてきた。

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