取材ノート

足下から伝わってくる統一


 うれしいファックスが舞い込んできた。南北共同宣言を受け、神奈川・川崎で総聯傘下の在日本朝鮮人川崎商工会と民団傘下の川崎韓国商工会議所が26日、合同で「川崎同胞ハナフェスティバル」を開くことになったのだ。合同イベントの足がかりになったのは、両団体が親ぼくを目的に94年から始めてきたゴルフコンペ。そのつながりから、自然に話が持ち上がったという。

 神奈川では、今年の3月にも団体の枠を越えた試みがあった。県が主催する国際交流フェスタに、民団と総聯の合同農楽隊が出演したのだ。

 顔を合わせ、気持ちを1つにしながらチャンダン(朝鮮のリズム)を叩くにつれ、参加者のなかには新鮮な気持ちが芽生えていた。「こんなに近所にいるのに、なぜ今まで一緒に出来なかったんだろう」、「本来、一緒に出来ることが多いのに」…。その教訓が再度、生かされ、朝鮮の食糧支援をテーマにした国際会議レセプションでの合同公演(7月2日)に結びついた。

 今回のハナフェスタでも北関東朝鮮歌舞団、民団青年会、韓青、朝青、女性同盟などが合同で農楽を行う。思想、所属を越えたフェスタは、今までにない、豊かな出会いを生み出すだろう。

 「川崎から率先して38度線をなくしていく。同胞が仲良くし、そのことを日本の住民にも知ってもらう」(韓国商工会の鄭在洙会長)、「川崎から統一ののろしをあげる意気込みで臨む」(朝鮮商工会の車栄鎬会長)。それぞれ一様にフェスタへの意気込みを語る。

 両団体の役員が初めて打ち合わせをしたのが、共同宣言発表の3日後。足下から「統一」を見つめる強い意志が伝わってきた。(張慧純記者)

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