民族的和解・団結の契機に

成功裏に終わった交換訪問


 離れ離れになった家族、親戚の交換訪問が15〜18日、平壌とソウルで行われた。

 歴史的な南北共同宣言を履行するための最初の事業である今回の交換訪問は、離散家族、親戚を半世紀もの間、苦しめてきた離別の痛みを少しでも癒し、南北間の和解と団結を促進するうえで大きな契機となった。

 平壌とソウルをそれぞれ訪問した計200人の家族、親戚たちは50年という歳月の壁を越えて感激的な再会を果たし、互いに抱き合い、手を握り、もう離れられない同じ血族であることを確認した。

 しかし約1000万人と推定される離散家族、親戚の苦痛を癒すためには、やっと一歩を踏み出したに過ぎない。1日も早く民族的団結を進め、統一への道を急がなくてはならない。

 実際問題として、仮に年間1000人が交換訪問という形を取るとしても、1000万人がこれに参加するためには1万年かかる。

 離散家族、親戚の感激的な出会いは、民族の出会いとならなくてはならず、対決に終止符を打ち、民族的な和解と団結につながらなくてはならない。そうしてこそ、根本的解決への道が開ける。

 戦争中、1人ソウルに残されることになった娘とソウルで再会を果たした北の言語学者、リュ・リョルさんは「1日も早く統一したらいい。隣の家に行くように行ったり来たりして情を分かち合えるように」と訴えた。また釜山にある娘の家にも行ってみたいと言っていた。しかし、こうした願いは民族的団結と統一なくしては不可能だろう。

 離散家族の問題を解決するため、南北の赤十字団体は1972年から様々な形の会談や接触を繰り返してきた。こうした過程で85年には、離散家族と芸術団の交換訪問が実現したが、その後の経緯を見ると、不信の増大、対決の激化以外、もたらしたものはなかった。

 しかし今回の交換訪問は、南北共同宣言発表後の、和解と団結への雰囲気のなかで行われた。85年の時とは違った純粋にうれしい気持ちで200人の家族、親戚は再会を果たした。

 この再会が、南北共同宣言履行の道、民族的団結の道へとつながっていかなくてはならない。

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