和解、団結 肌で感じる変化

8年ぶりのソウル

狭まる南北の距離感、変わる北イメージ


 本社記者が北側記者団のメンバーとしてソウルを訪問するのは8年ぶりのことだ。ソウル市内の様子に大きな変化はないが、北側訪問団を迎える市民らの姿には大きな変化があった。

 金浦空港構内を歩く北側訪問団に気づくと、近くまで走って来て拍手する青年たち。他の旅行客らも明るい笑顔で訪問団の心を和ませた。市内の通りで、訪問団の乗ったバスに向かって手を振る市民らの表情も明るかった。

 正直言って八年前は、北側代表団に手を振る姿はあってもその表情は堅かったと記憶している。離散家族の面会現場の空気も、前回の八五年の交換訪問の時とは大きく違う印象を受けた。

 中央日報のある若い記者は、6月の南北首脳の歴史的な出会いが変化のきっかけとなったと言った。

 「正直言って、それまで金正日国防委員長にいいイメージはなかった。でも首脳会談が実況中継され、実際に姿を見ると、今までの印象とは違うと思うようになった。国防委員長が着ていたジャンパーが売れ、ファンクラブまでできたと報道されていたでしょう。以前は北の人間には角が生えてるって言っていたことを考えると、本当に変わった」
 こうした事実は報道を通じて知っていたが、彼らと直接合い、話してみると、その変化が肌で分かる。

 またある経済紙の若い記者は、南北閣僚級会談で合意された総聯同胞の故郷訪問問題にも関心を示した。

 「いつ頃来るのですか。規模は?」と聞きながら、早い実現を願うと話す彼の言葉は、同じ民族でありながら、往来も会うこともできなかった北と南の距離感が急速に狭まっていることを実感させた。

 今回の交換訪問団は平壌―ソウルの直行航路を、北の高麗航空と南のアシアナ航空を利用して往来した。時間にして1時間弱の距離だった。こうして直行航路で往来したのは、南北共同宣言の調印、発表後、初めてのこと。歴史的な南北共同宣言を契機に、和解と団結の局面へと南北が確固たる歩みを見せていることを示す、本当に意義深い事実と言える。

 南北共同宣言履行の初の事業である今回の交換訪問は、民族的和解と団結の貴重な一歩となるだろう。(文光佑記者)

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