春・夏・秋・冬 |
幼い頃、夏休みのたびに大阪の祖父母の家に遊びに行った。往復の新幹線の中ではよく冷水機で遊んだ。ボタンを押すと紙コップに水が注がれる。それが面白くて、飲みたくもないのに何杯もお代わりしたものだ。その冷水機が年内いっぱいで姿を消す。ペットボトルの普及、乗客の衛生意識の高まりが廃止の理由という
▼その昔、「水と安全はタダ」と言われた。だが、水道水が信じられない今や、水も買うのが当たり前。ペットボトルの普及がそれを如実に示している。ミネラルウォーターの総市場は昨年、過去最高の130万2000キロリットルに達した ▼1991年から市場調査を実施しているサントリーによると、ミネラルウォーターを飲む理由としては、味、信頼性、健康が上位を占める。確かに、水源が特定されているため安全で健康的なことは間違いない。カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を補完する働きもある。「ただ、薬ではないので体に効く、効かないとは言い難い」と専門家はいう ▼ダイエットに関しても同じことが言えるらしい。だが、かつてスーパーモデルたちはこぞってその効果を宣伝した。毎日2リットルの水を飲んで3ヵ月で15キロやせたという読者からの体験談が寄せられたのはつい最近である ▼あまり知られていないが、日本には朝鮮産のミネラルウォーターも輸入されている。昨年の実績は1万6200リットル。同胞商社のミロクが手掛ける「金剛山の泉」もその一つ。朝鮮のミネラルウォーターを飲めば、「南男北女」の言い伝えどおり、美人になれるかも。(聖) |