春・夏・秋・冬

 感激、そしてその後に待っている辛い別れ。南北離散家族の交換訪問の映像を目にしながら、思わず涙がこぼれた。85年に続く2回目の交換訪問。朝鮮半島の環境が当時のままだったら、別れの辛さはそれこそ、計り知れないものになったと思う。しかし、今回は違う

▼朝鮮戦争で離れ離れになった妻と息子、娘、弟と平壌で再会したハン・ジェイルさん一家は、3年後のハンさんの80歳の誕生日を長男の家で祝うことを約束しあった。「京義線に乗って、わが家を訪れる」とハンさん

▼久し振りという表現では言い表せない、再会まで余りにも長過ぎた歳月。確かに別れは辛いが、今回、その辛さの後ろには、必ずまた家族全員が会える喜びが待っている。85年当時とは、根本的に状況は変わったことを改めて実感させられる

▼金正日総書記、金大中大統領共に9、10月の継続を示唆した。第2陣の日程発表もそう遅くはないだろう。さらに総書記は、離散家族たちがそれぞれの家まで訪問することができるよう、最大の力を尽くすことを約束した

▼南北合わせて1000万人ともいわれる離散家族。毎月100人ずつ再会するとしても、1000年以上という途方もない時間がかかる。今後、板門店での面会所の設置や手紙の往来なども論議されるだろうし、さらに南北共同宣言が1つずつ実践されていけば、自由往来も視野に入ってくる

▼朝鮮総聯の同胞の故郷訪問も、先の閣僚級会談で合意した。これから具体化していくだろう。分断55年の壁は、こうしたことの積み重ねによって崩していくものだ。(彦)

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