山で元気
涸沢カールの花畑は夢幻境
奥穂高岳
(3190メートル、長野県)
留学同京都OB会の登山クラブ「山遊会」(京都)、「高翔会」(関東)の合同登山が5〜7日に奥穂高で行われた。合流場所は穂高岳山荘だった。
5日、「山遊会」一行12人は雷鳴とどろく中、雨装備をして河童橋を出発。「今日はどんなに降ってもよいから、明日だけは快晴にして」と口々に出しながら、徳沢園に着く。午後5時、定刻通り横尾山荘に到着し、宿泊した。 6日は5時起床、6時に山荘を出発。早朝の奥上高地、横尾谷の瀬音を聴きながら、シラビソ、ツガの針葉樹林帯のなかキラキラ輝く朝日を背に受け、急ピッチでとばしている仲間の後ろ姿は頼もしい。朝日に赤く染まった壮大な屏風岩に遭遇し感嘆の声を上げる。流れの美しい本谷橋で休憩。ここからは急登。息は上がり、苦しい。助けは、樹々の合間に北穂高の鋭峰が顔を出し我々をうっとりさせることだ。 アルピニスト憧れの涸沢小屋のテラスに着く。大休止。健脚組は奥穂高頂上を目指す。涸沢カールの大雪渓を見下ろす花畑で筆者はリタイア。白、黄、ピンクのハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、イワカガミが咲き乱れる花畑に転がり込む。涸沢カールの花畑はまさに夢幻境だ。雷鳴がとどろく。涸沢岳の鋭峰がガスで見えなくなる。ガスが猛烈な勢いでかけおりてきた。花と惜別する時が来たようだ…。 一方、「高翔会」の2名は6日の早朝、涸沢ヒュッテのキャンプを後に、北穂高岳、涸沢岳の3000メートルの2つの頂上を制覇し、穂高山荘の前で、「山遊会」の本隊と感激的な遭遇をする。雷雨のなか、合同隊は目標の奥穂高岳頂上を踏み、すぐ下山する。5時過ぎ、涸沢小屋に待機していた「山遊会」全員と1年ぶりの対面をする。
食事後のサンボンモイムの楽しい語り合い。奥穂高の頂上に登るべきか否かの苦悩の末、決行した経緯、来年の合同登山の計画、懐かしい京都留学同の思い出等々が続く。陽に焼けたみんなの顔は学生時代の笑顔に戻っていた。(留学同京都OB会登山クラブ「山遊会」金相煥) |