「まちづくり」へプラン発表

ウトロ同胞らイベント


 「ウトロまちづくりの集い」(主催=ウトロ町内会、地上げ反対! ウトロを守る会)が12日、京都市アバンティホールで開かれた。

 京都・宇治市のウトロ地区は解放前、飛行場建設のために連行された朝鮮人労働者の飯場の跡で、今も同胞229人が暮らす。しかし、住民の知らぬ間にその土地を購入していた不動産会社が10余年前、住民の立ち退きを求めて提訴。10余年を経て、「住民全員敗訴=立ち退き判決確定」の結果が出つつある。

 今回の集いは、司法に見放された同胞と支援者らが新たな解決の道を求め、自治体に提示するために作成した「まちづくりプラン」を発表し、新たなたたかいへの思いを民族の文化で表現しようと開いたものだ。南からかけつけた盆唐青少年オーケストラ団、盆唐女性合唱団をはじめ、東九条ハンマダンのサムルノリ、ウトロ農楽隊の農楽などが披露され、町内会の厳明夫副会長が「ウトロまちづくりプラン」を発表した。プランは、土地を3分割して資金のある人は土地を購入し、他の2区域に公営住宅やコミュニティーセンターを建設するというもの。(1)高齢者に優しいバリアフリーのまち (2)コミュニティーを壊さないまち (3)安全で災害に強いまち (4)開かれたまち (5)チャンゴの聞こえるまち(民族文化を大切にする)が基本方針だ。

 ウトロ農楽隊の黄順礼さん(68)は、「問題の歴史的な経緯を考えると、絶対に出て行くわけにはいかない。今後も農楽を通じて多くの人たちに訴えていきたい」と力強く語った。

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