第10回朝・日政府間本会談
次回は10月 共同報道文発表
人的交流の推進で一致
第10回・日政府本会談で発言する朝鮮側の鄭泰和団長(中央、24日)
共同報道文(全文) 第10回朝・日政府間本会談が8月21日から24日まで東京で行われた。 会談には、鄭泰和・外務省巡回大使を団長とする朝鮮民主主義人民共和国政府代表団と高野幸二郎・外務省日朝国交正常化交渉担当大使を団長とする日本政府代表団が参加した。 1、双方は朝・日関係を改善していくとの共通の立場と朝・日間の相互信頼を増進するとの精神のもとで、善隣友好関係の早期樹立を目的として、真しな討議を行った。 2、双方は7月末にバンコクにて行われた史上初の朝・日外相会談の成果を基礎に、過去の清算をはじめとして、朝・日間の諸般の問題につき、率直な意見を交換した。 また、朝・日間の相互理解を促進させる目的で、政治、経済、文化等の各分野における交流と往来を具体化するための討議を行った。 その一環として、双方の外交当局間の交流を促進することで認識が一致した。 また、民間経済人交流が望ましいという認識で一致した。 3、双方は、今後とも、朝・日政府間本会談を促進していくことを確認し、第11回本会談を10月に双方が別途協議の上決定する第3国において行うことで意見が一致した。 2000年8月24日 鄭団長の記者会見内容 鄭泰和団長が24日に行った記者会見の内容は次の通り。 ◇ ◇ 過去の清算問題で核心になる謝罪問題 日本側は「村山談話の線で処理する」と主張しているが、「村山談話」はあくまでも日本が過去に侵略、占領したアジアの国全般を対象にしたものだ。 朝鮮はアジアの中でももっとも長い期間、日本帝国主義によって軍事的占領されただけではなく、もっとも残酷でひどい苦痛と被害を強いられただけに、その程度の線で反省するのは不十分であり、受け入れ難い。 とくに、朝鮮人民は日帝の統治期間に数百万人が命を落とし、ばく大な文化財を略奪されただけではなく、民族の魂まで抹殺されたため、「村山談話」に含まれてる「おわび」という言葉、すなわち過ちや不注意で他人に負傷を加えた際に使う表現としての「謝罪」は絶対に受け入れられない。 補償問題 日本側が固執している「財産請求権」の主張は、朝鮮に対する日帝の侵略と軍事的占領が「適法」だったという強盗の論理に基づいたもので、過去の犯罪行為について反省していない。 日帝は朝鮮人民に計り知れない人的、物的、精神的被害を加えた。絶対に「財産請求権」の方式では処理できない。 また、日本の軍事的占領統治がなければ、朝鮮人民は半世紀以上におよぶ民族分断の苦痛を受けなかっただろう。日本は当然の責任を感じるべきであり、敗戦後、一貫して反朝鮮孤立圧殺政策を実施し、朝鮮人民にばく大な損失を与えたことについても補償すべきだ。 文化財問題 日本が朝鮮にあるばく大な文化財を手当たり次第に破壊、略奪したことは歴史的事実だけに、日本側はそれらを「正当な手段で入手」したとして自らの犯罪行為を否認するのではなく、過ちについて謝罪すると同時に文化財を破壊したことに対し物資的に補償し、略奪した文化財をすべて返還することを求める。 在日朝鮮人に対する補償と特別地位保障問題 在日朝鮮人の大多数が「徴兵」、「徴用」などの名目のもとに強制的にら致、連行された人たちとその子孫たちで、日本による朝鮮占領の最大の被害者だ。 在日朝鮮人は解放後から今日に至るまで、日本当局の敵対的な民族差別政策の犠牲者になってきた。朝鮮側は今回、彼らの問題に関する討議を従来の在日朝鮮人の法的地位問題としてではなく、「在日朝鮮人に対する補償と特別地位保障に関する問題」として扱うことを主張した。 とくに、朝鮮側は第9回本会談で、同胞社会と日本の地域社会に混乱と対立をもたらす「参政権」付与を絶対に許さないとの立場を表明したにも関わらず、日本が「地方参政権法案」を成立させようとしているのは、許されないことだ。(崔憲治記者) |