×片寄った文学作品の評価
○民族共通の文学遺産 |
李尚民(44歳、東京都) |
朝鮮では80年代から、日本帝国主義の植民地時代に生きた作家の作品を民族的な見地で再評価をしている。これまで、文化交流が途絶えていた北南間で、作品群に対する共通的な評価がなされてこなかった。ある種の先入観をもって作品を評価するのではなく、作品が民族史的な発展にどう寄与したかという観点で調査・研究を進めていくべきだろう。
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×差別の辛さ
○1世の義理と人情 |
李英一(39歳、広島県) |
渡日、戦争、原爆…。アボジと自分が味わった辛さを2度と後世に残したくない。そのためには朝・日友好が不可欠。祖国を心の支えに同胞社会を発展させてきた1世の精神を受け継いでいきたい。今年、広島で催す青商会の民族フォーラムは、祖国の統一、朝・日国交正常化後の同胞社会、平和の都市広島のあり方をテーマに、在日コリアンが夢を実現させていく契機にしたい。
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×赤字
○1世商工人の商売根性 |
高光賢(27歳、東京都) |
長い不景気はもう勘弁してほしい。とくに赤字は今世紀に置いていきたい。1世の時代から、厳しい環境のなかで必死に商売を興してきたから、今の同胞商工人がある。1世の「苦労」は新しい世代の財産。来世紀もそれを肝に銘じて、頑張る商工人を積極的に商工会でサポートしたい。
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×乱れている「ウリマル」
○真の民族の言葉 |
朴洋子(42歳、埼玉県) |
北南の同胞たちにも通じうる真のウリマルを持っていきたい、というのが率直な気持ちだ。民族教育を受けた同胞でさえ、日本語まじりのウリマルを使っているのが現状ではないだろうか。初級部の生徒らを教えている1人として、子供たちに真のウリマルを教え、民族教育の素晴らしさを伝えていきたい。
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×日本人や民団同胞との壁
○1世から受け継いだ歴史 |
金京純(38歳、愛媛県) |
日本人のなかには、朝鮮人に対する差別意識が根強く残っている。また、在日同胞社会ではいまだ総聯と民団との壁がある。今世紀、差別やお互いに対する偏見を無くし、1世同胞らが築いた民族教育を発展させながら、子どもたちに北南統一への希望と、将来性への夢を与えたい。
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×戦争と民族の分裂
○民族性を守っていく心 |
沈栄華(21歳、佐賀県) |
日本学校に通っていた頃、「なぜ国籍は朝鮮なのに故郷は南なの?」「なぜ朝鮮人は日本に住んでいるの?」と疑問を抱いていた。それが日本の植民地統治の産物だと知り、痛ましい過去を繰り返してはならないと強く思った。明るい目標を持って新世代たちに温かい民族の心を育んでいきたい。
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×冷戦時代の古い思考方式
○祖国愛、民族愛 |
朴起範(43歳、東京都) |
時代の進化とともに、それに合った新しい発想が必要。これかは3世らが同胞社会の主力となるが、1世らが築き発展させてきた国と民族を愛する伝統は引き続き受け継ぎ、発展させていくべきだ。時代がいかに変わろうとも、民族の誇りを持って生きていかなければ、何事も成功しない。
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×日本政府による法的差別
○在「世界」朝鮮人としての自負 |
金初禧(22歳、京都府) |
納税義務があるのに恩恵を受けられない同胞に対する日本当局の差別を、今世紀の早い時期に撤廃させるようにすべきだ。税理士になり、権利よう護のために尽力したい。また、「在世界朝鮮人」として、世界のどこにいても自分は統一朝鮮民族の一員だという自負を持って、21世紀に羽ばたいていきたい。
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×在日外国人の入居差別
○同胞のハングリー精神 |
申英敏(35歳、大阪府) |
在日同胞をはじめ在日外国人に対する入居差別は、減ってきたとはいえ根強く残っている。国際化を標榜するなか、こうした民族差別に基づく考え方は置いていきたい。21世紀に伝えたいのは、同胞のハングリー精神。20世紀の混乱期を生き抜いた1、2世は、まさにそのハングリー精神をもって、同胞社会の基盤を築いたからである。これはぜひ見習うべきものだ。
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×食糧不足による飢餓
○研究者の意欲 |
蔡晃植(40歳、奈良県) |
20世紀は飢餓の時代だと言われた。今世紀も増すことが予想されるが、それをなくすためには、植物の耐病性、耐虫性などの安全性を確保するための遺伝子組み換え作物研究を含めた科学研究を推し進めていかなければならない。いくらコンピューターなどの機能が発達したとしても、最終的に解決するのは人間だ。研究者としての意欲を持ち続けたい。 |