21世紀 祖国繁栄と統一の世紀に
各界の同胞が語る「私の抱負」
侵略、植民地支配、分断、戦争、対決と続いた20世紀に別れを告げ、朝鮮民族にとって希望の世紀、統一と繁栄の世紀となる21世紀がついに幕を開けた。昨年、分断史上初めて実現した金正日総書記と金大中大統領との歴史的出会いと北南共同宣言によって、朝鮮民族にはかつてない明るい展望が開かれている。今年、そして今世紀の抱負を各界同胞に語ってもらった。
世紀のアリラン峠を越え 20世紀は、民族受難の世紀だった。その世紀とともに1世は歩んできた。100年間もアリラン峠を越えてきたのだ。 共同宣言は、その1世紀に及ぶ民族受難の歴史に終止符を打ち、祖国統一の前途を明るく切り開いてくれた。心の隅にあった、いつ統一するか分からないという気持ちを吹き飛ばしてくれた。宣言の発表によって、21世紀を栄光と繁栄の世紀に、朝鮮の世紀にする基礎が築かれたと思う。 この歴史が与えてくれたチャンスを2度と逃さぬよう、統一運動の主人公として障害を1つひとつ取り除いていく。 昨年、第1次総聯同胞故郷訪問団の一員として50数年ぶりに故郷の地を踏むことができたが、北と南、日本に離れて暮らす家族は、親戚関係だけでも数百人になり、幼友達や同級生などを合わせると、たいへんな数になる。その一人ひとりが共同宣言に基づいて団結すれば、統一に大きく貢献できるはずだ。 京都では、これまでにもワンコリアフェスティバルなど、団体所属や思想を越えて同胞同士が団結してきた。だから、「共同宣言を支持する」――これだけで互いに団結することは十分に可能だ。そして21世紀、統一を実現して、その日こそは何日も何日も踊り明かそう。(京都市在住=80歳) 教育通じてつながりを オモニ会の活動を始めて5年になるが、民族教育をめぐる同胞社会の現状は多様で複雑だ。多くの子供たちが日本学校に通っているが、経済的な理由で民族教育を受けられない同胞も多く、朝鮮学校の存在すら知らない人も多い。学父母の中でも民族教育に対する考えは様々だ。 朝鮮学校は、同胞社会の多様さを受け入れ、また彼らをつなげる場所になっていかねばと思う。自分のルーツを自然に受け止めることは、子供の成長にとって不可欠。それだけに民族教育が大事だ。今後はより多くの同胞が民族教育にアクセスできるようにしたい。 現在、朝鮮学校は、日本政府の差別政策により財政が悪化しており、このことが質の向上を阻んでいる。財政的な基盤を構築することが、一番の課題だ。 北九州ではバザー、公開授業など、同胞たちの長年の努力により昨年の11月、日本市民による「朝鮮学校を支える会」が発足した。高い理想を実現するためにも、足元をきちんと見つめ、頑張っていきたい。今年は学校を支える同胞や日本市民の輪をもっと広げていきたい。
昨年、忘れられない出来事が2つあった。ひとつは、10月に北海道青年商工会の一員として、祖国を訪れたこと。地方青商会単独で祖国に代表団を送るのは初めてのことだ。この祖国訪問は、祖国の農業発展に寄与したいという会員たちの一致した思いが実ったものだ。 そしてもうひとつは、歴史的な北南共同宣言の発表だ。 テレビで北南首脳会談を目撃して、4年前に亡くなったアボジのことを思い出した。今、こうして私たちが活動できるのも、アボジたちの世代が愛国運動の過程で血のにじむような思いをして築いてくれたものがあるからにほかならない。 そう思うと、亡きアボジたちの意思を継承していくことが、21世紀にやるべき私たちの一番の課題ではないかと思う。これからは、統一朝鮮への新たな夢と希望を現実的に捉え、何をもって、どう寄与していくのかを具体的な行動で示すことが必要だ。 例えば、祖国への複合微生物肥料工場に関する支援を継続してやっていくことや、北南関係改善につながることで在日同胞の若い世代が色々な形でかかわって行ければと思っている。 まずは、青年同盟や青年商工会の活動を通して地域の同胞社会で役割を果たしつつ、祖国の発展に寄与していきたい。(札幌市在住=30歳) 先日、初めてソウルで公演した。何か熱いものが込み上げてきて、これまで歌劇団を支えてきた多くの先輩たちが何のためにやってきたのかが分かったような気がした。また祖父母や平壌にいる音楽の師匠たちもまだこの地を踏んでいないと思うと、少し複雑な気持ちにもなった。 僕たちの音楽は、伝統的なものに現代的な要素を取り入れて改良したもの。南の人たちは聴き慣れないようだったが、一定の手応えは感じた。学べるものも多いし、ぜひまた行きたい。統一の世紀を迎え、今後もこうした機会は増えて行くだろう。ソウルの人々も自然の風景も平壌のそれと変わらず、1つであることを実感した。近い将来、必ず1つになるだろう。今後も、音楽活動を通じて祖国の統一に寄与したい。 在日同胞も世代交替しているし、僕たちの活躍の場もどんどん広がるだろう。統一時代の21世紀には、今やっているものよりもっと新しいスタイルが必要だ。民族の伝統を大切にしながらも、新しい時代、新しい観客に相応しいスタイルを自分たちの手で作っていきたい。また南はもちろん、もっとほかの国々にも演奏の場を広げて行きたい。場を広げてこそ、そこで吸収したものをいつも公演を楽しみにしてくれる在日同胞や日本の観客のために還元することができる。(東京都在住=26歳) 昨年6月13〜15日、私の家族は北南首脳会談を伝えるテレビに釘付けだった。もちろん私もうれしかったが、とくに1世の祖父母はとても感動し、喜んでいた。祖国統一の日が近づいたと思った。私が大人になるまでにはきっと実現しているはずだ。そして想像してみた。統一が実現した日、「統一祖国の朝鮮人通訳」として、朝鮮民族の喜びを世界中に伝える仕事をしている私…。夢が急に現実に近づいた気がした。 そう、ただ通訳になれればいいというのではない。朝鮮人の自覚をしっかりと持って、民族教育を受けた私しかできないそんな仕事がしたい。統一が実現する21世紀、そんな「私」になっていたい。 そのためには、やらなくてはいけないことがたくさんある。まず英語はもちろん、ウリマル(朝鮮語)、日本語をもっとしっかり勉強しなくては。また学校の勉強だけでなく、自分の国と民族のこと、世界中のこと、色々なことをたくさん学びたいと思う。(千葉県茂原市在住=16歳) |