本社記者 平壌レポート
帰り道にちょっと1パイ
肴は「鶏脚の丸揚げ」
【平壌発=文光善、姜イルク】記者
平壌市内の4〜50代に今、大人気なのが、市内に3軒ある立ち飲み屋限定メニューの「鶏脚の丸揚げ」。これを肴に1杯やるのが帰宅前のちょっとした楽しみになっている(写真)。
「鶏脚の丸揚げ」は、鶏のモモから爪先まで丸ごとをスパイスを効かせて香ばしく揚げたもので、食欲をそそる香りと歯応えが人気の秘密。この「鶏脚の丸揚げ」2本と鶏モツの串焼き1本、そしてコップ酒(焼酎)がセットで7ウォン60チョンだ。 その味の良さから各店とも1日平均700人が押し寄せる人気ぶりだが、続く経済難のなか、このような立ち飲み屋が平壌の街から消えて久しかったことも人気の一因だろう。もちろん、国の経済は今もゆとりがあるわけではないが、人々は知恵をしぼって生活を楽しもうとしている。 この3軒の立ち飲み屋も、各地に増えつつある養鶏工場で加工の際に出る副産物を何かに活かせないかという試行錯誤の据えに生まれた「鶏脚の丸揚げ」を看板に、昨年4月、オープンしたものだ。 調理担当のキム・リョナさん(28)は、酒飲みとは絶対に結婚しないと宣言するほど酒を飲む男性が苦手だったが、「お客様の印象はいいです」と笑う。 「皆さんが美味しそうに飲食しているのを見るとうれしい。ここで働く誇りを感じます。毎日満員で忙しいけど、調理の手を抜いたことはありません。これからも工夫して、お酒に合う美味しい料理を作っていきたいですね」 |