20、30代に聞く 「21世紀」

アイディア、情報、冒険

同胞社会の在り方を追求/未来像描きながら行動


 総聯は、今年を「新しい世代の年」と位置付け、彼らのニーズに応えられる同胞社会作りを目指していくことを強調した。これに応えるかのように、20、30代は、「新世代元年」「主人公は若い世代」と主張する。

経済のスーパーマーケット

 「斬新で大胆なアイデア」「新しいビジネスチャンス」「迅速で正確な情報提供」「世界に通用する同胞のためのネットワーク作り」「冒険」―参加者たちが語った、今後の同胞社会を占うキーワードだ。

 文京・千代田商工会に勤務して3年目を迎える朴セナル(24)さんは、それを肌で痛感するという。同胞商工人が求めていることだからだ。「勝ち組に入るための生き残り戦略、I T(情報技術)を駆使したベンチャー企業の旗揚げなど、彼らが求めている情報はとても幅広く膨大で、商工会がよりいっそう重要視されるが、それだけやりがいも感じる。知識と新たな発想で対応していきたい」と朴さんは語る。

 一方、都商工会経理部の金文姫さん(25)は、商工会の今後のあり方を「経済のスーパーマーケット」と表現する。税務だけでなく、財産管理、財務処理などあらゆる経済問題に対応していくという意味だが、そのためには司法書士や公認会計士などの専門家が必要だ。金さんは税理士を目指し目下勉強中だ。

就職、住宅、教育問題で相談センターに

 同胞らがかかえる悩みを解決しようと、各地で同胞生活相談綜合センターが設立されているが、東京・大田のセンターでは、昨年4月の開設以来、総聯に対する同胞らの関心が非常に高まってきているという。金盛和事務長(39)は、開設以前は冠婚葬祭の相談が主だったが、今は就職や住宅、教育問題について、20、30代の同胞らが多く訪ねてくる。金事務長は、「『組織離れ』がつぶやかれているが、問題を解決できれば信頼度はアップする。同胞らをまとめる絶好の機会だ」と意気込む。

 朝青東京・足立支部の申順花さん(20)は、「若い世代が何を考え、欲しているかをわかっているのは同じ世代の私たち。 組織はこんなこともできるんだ と興味を抱くよう、冒険もしてみたい」と語っていた。

明確なビジョン必要

 「若い世代は『現実主義』で、どんぶり勘定的なことに対してはとても シビア 」「彼らが求めているのは1世とは違い、自己の犠牲だけでなく自分の夢もかなえること」

 中央青商会の玄大植総務部長(33)は、「若い世代は日本の社会で生きていくうえで、そうしたことを痛感している。つまり、明確なビジョンが必要ということ。われわれは学校を支える運動など、アプローチできる同胞社会の未来像を描きながら行動し、社会に貢献していきたい」と述べる。

 日本の大学、専門学校に通う同胞学生らを網羅する留学同中央の朴栄致副委員長(34)は、「学生たちはチャレンジ精神がおう盛で、新しい物をつねに求めている。彼らの能力を発揮できるバックアップ体制をさらに強化していきたい」と話す。

 「新世代元年」のあり方を追及する若い世代たちだった。

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