取材ノート
主義主張を超える熱意
京都府内の5つの同胞青年団体(朝青、留学同、韓青、民団青年会、韓学同)が主義主張を超えて共に取り組んだイベント「ワンコリアカウントダウン21」(昨年12月31日〜1月1日)から21世紀の取材が始まった。
印象深かったのは、5団体が共同で作成した「京都コリアン青年学生21世紀宣言」だ。◇6・サE共同宣言を遵守する◇同胞間の一切の分断をなくし、大同団結する◇同胞の健全な民族意識を育て、民族教育、生活権を守る―。 21世紀の同胞社会の青写真を示し、それを現実のものにするとの決意が込められた宣言は、この2年間、5団体のメンバーが夜を徹して討議したものだ。 その道程は決して平坦ではなかった。宣言作成に関わったメンバーは、それぞれの綱領を突き合わせた時は、あまりの違いに辟易したという。「一つになる」という、共通の目標はあったが、具体的に事を進めていくと、考え方や方法論の違い、ひいては様々なしがらみが頭をよぎり、壁になったこともあった。 「互いに不審感やうがった見方がなかったかといえば、うそになる」「統一を目指すことは、今まで同胞社会に存在した『分断』とは何かを見つめ、乗り越える過程だった」。率直な思いには様々な苦渋がにじみ出ていた。 当日のイベントは、「われらの願い」の合唱で締めくくられた。数千人が肩を組み心を一つにした大合唱。イベントの終了が告げられても、その熱気はとどまることを知らず、青年たちは、至るところで熱い抱擁と握手を交わしていた。 あらゆる困難を乗り越えたその先には、体験したことのない大きな感動があった。手を差し延べ抱き合うのは、彼らが喜びを分かち合える仲間だったからだ。 5団体は、宣言を実行するため、春にも協議会を立ち上げる。一つを目指す大きな一歩が踏み出された。(張慧純記者) |