春・夏・秋・冬

 不信と疑念、党利党略があからさまに顔をのぞかせた開票の末に勝利したブッシュ氏が米大統領に就任した。その就任演説、大方のマスコミは何の吟味も加えずに「格調高い」、と伝えた

▼そうだろうか。米国の大量破壊兵器によって肉親、同胞を殺され、国を分断され、比類なき軍事力で包囲、封鎖され続け、享受すべき発展と繁栄の道を閉ざされてきた朝鮮民族にとって、この就任演説は超大国のごう慢、おごり以外の何物でもない

▼「われわれが自由の大義を先導しなければ、その大義は導かれることはない」「米国は世界に関与し続け…すべての国に対し、わが国を生んだ価値を唱えていく」。米国が超大国である理由は、大量の核兵器に裏付けされた軍事力にある。その政治理念や道徳、民主主義の高潔さのためではない。彼らの言う「自由の大義」とは、米国の国益を最優先させたものであり、それを拒否する国々に対しては力づくでも言う事を聞かせるということだ

▼欧州やアジア、アフリカ、南米の在り方の歴史的経緯を無視したこれらの表現は、何も今回だけに限ったものではない。世界各地で泥沼化している民族紛争や内戦は、その所産なのだ

▼就任演説の日、金正日総書記は非公式訪中を終えた。江沢民総書記との会談では、それぞれの国内状況について通報し合い、両国の関係発展と関心事である重大な国際問題について意見交換し見解一致を見た。江総書記は、良い時期に訪朝することも表明した。朝中のこの動きをブッシュ氏はどのように見ていたのか、知りたいものだ。(彦)

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