書を通じた心のふれあい
第17回錦山塾書道展/東京で
東京・北区の北トピアで9月16日に開かれた錦山塾書道展では、650人にのぼる人々が作品を観覧した。 今年はとくに学生の作品が多かった。年に1度の書道展を通じて、その作品から子供の内面の成長や状態を知ることができる。また敬老の日にちなんだ展示会だけあって、その作品は祖父母への何よりのプレゼントになったと思う。 10数年前になるが長男がはじめて読売新聞社賞をもらったときは、年寄り2人が大阪から上京してきたほどである。よほどうれしかったのだろう。書は遠くに住む家族のふれあいの架け橋にもなっていた。 17回を数える書道展を毎年開くのは大変なこと。それを支えているのは錦山塾の講師や塾生、有志たちである。オープニングの日は朝早くから準備のため集まってきた若者たちで会場は活気づいていた。 書を通じて古典を学び、先人の叡智に触れ、書とともに成長してきた若者たちが社会人になっても筆をとり、練習に励む。その過程で出会った人々と互いに助け合いながら、展示会なども開いていく。こうした1つのふれあいの場がここにはある。 美しい字が書けるという魅力だけではない。心のいやしに書は不思議な力を発揮するのである。 (康貞奈 錦山塾会員) |