春・夏・秋・冬

 米英によるアフガニスタンへの攻撃がついに始まった。それにしても、空爆直後に世界に流されたビンラディン氏が声明を読み上げるシーンは、あらかじめ撮られたであろう映像とは言え、十分に出すタイミングを計ったものだと言える。ブッシュ大統領が「テロとの戦い」を宣言すれば、全イスラム教徒に「ジハード(聖戦)」を訴える。現に各地のイスラム圏では激しい反米デモが起きている

▼プロパガンダ戦が最も華やかだったのは第1、第2次世界大戦の時だったが、今回の戦争はそれをしのぐ高度なプロパガンダ戦だといえよう。米国が爆弾投下とともに、食糧を投下したのもその1つ。ブッシュ大統領の演説内容、服装、場所などすべて高度に演出されたものであることは周知の事実だ

▼第2次世界大戦の時から、米国の宣伝スタイルはいかにたくさんの有利な報道を流すかだったという。フィリピンのレイテ島上陸実況中継が米国民の戦意昂揚に役立ったという話も。今回もアフガンへの攻撃直前、米メディアはテロ事件捜査の進展ぶりを印象づける情報を伝えたが、世論の反発を防ぐための米政府の情報操作ではないかとの見方も出ている

▼連日流れるテレビの映像を見る限り、戦争の生臭さは伝わってこない。しかし、少なからぬ一般人が戦争の恐怖にさいなまれ、殺されているのはまぎれもない事実だ

▼朝鮮外務省代弁人は、テロ反対の立場を明白にした上でこう指摘する。「罪のない住民が殺されたり、地域の情勢と安定を破壊する武力行使や戦争の方法はいかなる場合にも正当化されない」(聖)

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