私たちのうた

金尚勲


オモニ

 暖かな背に隠れ
 冷たい風をよけていた私が
 ひげをはやしこんなにも大きくなったのを
 あなたは驚いて見るでしょうか
 委員会の輩だと
 戦いにいつも飛び込むと
 怯えた目つきで見上げるオモニの顔に
 にわかにしわが増えてゆきます

 千人の人がなんと言おうと
 私の歩む道は正しいのです
 果物畑に小石を投げていた私ではありますが
 乳房からもらった春の日のような温かな愛を
 人民の胸の中に分け隔てなく与える
 そんな親友たちの後をついてゆきます

 オモニたちが土の中に埋まり
 唇や柔らかな手がみえなくなれば土を握りしめ
 オモニを呼ぼうではありませんか
 この国の土を愛することは
 オモニのための道ではないでしょうか

 キム・サンフン  出生年代不明、延喜専門学校卒業、「民衆朝鮮」編集長・45年11月創刊、解放直後、朝鮮文学同盟加盟、朝鮮戦争後に越北、詩集に前衛詩人集、隊列、家族など。(訳・全佳姫)

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