オンマの家計簿Q&A―韓鐘哲(17)

金融商品選ぶポイントは?

貯蓄の目的に合った特性のものを


   新聞や雑誌、知人の話から銀行で取り扱っている定期預金などのほかにも数多くの金融商品があることを知りました。それらの金融商品の金利には、固定金利と変動金利というものがあるのですが、どういうものなのですか?  また、金融商品を選ぶときには、何をポイントに考えたらよいのですか?

   金融機関では、いろいろな金融商品を取り扱っていますが、その金融商品のほとんどは適用される金利と金融商品の特性によって分けることができます。

 金融商品の適用金利は、固定金利型商品と変動金利型商品の2種類に分けることができます。固定金利型商品とは、預入期間中に経済環境が変化しても、預入時の利率が満期まで固定したままで運用されるものをいいます。一般的に高金利の時期には、今後は金利の下降が予想されるため、預け入れた時の金利ができるだけ長期にわたり継続する固定金利型商品を選ぶと有利だといわれます。固定金利型商品の例としては、銀行のスーパー定期預金や期日指定定期預金、長期信用銀行のワイドなどがあります。これに対して変動金利型商品は、預入期間中に経済環境が変化すると、これと連動する形で当初の利率が変動するものをいいます。一般的に低金利の時期には、今後は金利の上昇が予想されるため変動金利型商品を選ぶと有利だといわれます。変動金利型商品の例としては、銀行の変動金利型定期預金や信託銀行のビック、ヒットなどがあります。このような固定金利型商品と変動金利型商品の違いと特徴から考えた場合、現在のような超低金利時代には固定金利型商品は不利といわれます。特に長期の固定金利型商品は満期までの間に金利が上昇する可能性が大きくなるので避けるのが賢明といえます。ただし、固定金利型商品でも短期のものを選び、自動継続していけば、それは実質的には変動金利型商品と同じ性質を持つことになるので、これも金融資産運用の1つの選択方法といえます。つぎに金融商品の特性は、@「安全性」…金融機関の破たんや業務停止、運用の失敗、または経済環境の変化によって元本や利息が減ってしまうことなく、期待したとおり確実に受け取れるかどうかをいう、A「流動性」…金融商品を現金に換えるまでの日数がどのくらいかかるかをいう、B「収益性」…その金融商品がどれほど高い利息や値上がりが見込まれるかをいう、の3つに分けることができます。個々の金融商品は、この3つの特性の優先順位をつけた組み合わせになっています。例えば銀行などの預貯金は、まず安全性を、つぎに流動性を優先し、収益性はあまり優先しない組み合わせといえます。反対に株式投資は、まず収益性を優先し、つぎに流動性、安全性は最後という組み合わせといえます。このような金融商品ごとの特性をしっかり理解することはとても重要です。また、この3つの特性のすべてに優れた金融商品はないということを理解するのも大切です。

 金融商品を選ぶ時のポイントは、貯蓄の目的とその目的に合った特性の金融商品を選ぶことです。貯蓄の目的は、その使用目的によって、@「生活資金」…教育資金や住宅取得準備資金、老後生活費など、今後のライフイベントに使用する予定の資金、A「予備資金」…病気や災害、車などの購入、旅行など、使用される時期は決まっていないが必要なときにはすぐ使われる資金、B「ゆとり資金」…使用するまでに一定以上の貯蓄期間がある生活レベルの向上を目指した資金の3つに分けることができます。このような貯蓄の目的に合った金融商品を選ぶときのポイントは、「生活資金」のための金融商品は、安全性と流動性を重視した商品から選択します。「予備資金」はいつでも即座に使えるよう流動性が高い商品で、できれば預入期間が長くなるほど利率が高くなる金融商品が最適といえます。「ゆとり資金」は安全性や流動性に多少の不安があっても収益性の高い金融商品を選択しても良いと思います。
(ハン・ジョンチョル ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

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