同胞の店

焼肉・高麗苑
(横浜市南区)

家族連れから一流シェフまで


 来年の3月で満5年となる「焼肉  高麗苑」。「あの場所で焼肉屋は厳しいよ」という近所の店主たちの言葉を裏切り、味と質で固定客を獲得し、店の評判も上々だ。

 だが、軌道に乗り出した店を、狂牛病騒動が直撃した。

 「正直言って、本当にきついですよ」と、言うのは文秀一店主(38)。もともとは東京・板橋区で同じ屋号の焼肉店をしていた。決して場所は良くないが、味と肉の良さが口コミで広がり、固定客が付く評判の店となった。その時の頑張りも自信につながっている。

 焼肉屋には、こだわりがあったわけではない。だが、やっていくうちに、生半可な商売ではないと気づく。

 文店主のこだわりは、ずばり肉の質。市場に出向き問屋と顔をつなぎ、直接素材を確かめている。さらに、野菜や鮮魚も同様で、「キムチも私が漬けます」と言う。

 なかでも店主のお薦めは、和牛ハラミ(1100円)。品切れの時もある上等の肉だ。この値段で出しているのは、「店の看板をかけている品だからこそ、儲けは二の次に思ってます。でも、この肉を食べたら必ずまた来店してくれますよ」と、文店主は言い切る。

 ニンニクねぎタン塩(980円)も店主が客をよぶために開発した一品。さらにオープン当時から量と味で人気だったサンギョプサル(980円)は、他の店では2人前はある量をこの値段でだしている。

 今月からは、豚の骨付きカルビ(700円)もメニューに加えた。

 客層はさまざまで家族連れから一流ホテルのシェフまで来る。だが、あくまでも在日同胞がやってきた焼肉屋本来のスタイルとメニューで客をよんでいきたい、と語っていた。(嶺)

 営業時間  午後5時〜午前2時、第2火曜日定休。神奈川県横浜市南区永楽町2―23―2(TEL  045・263・0358)。

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