春・夏・秋・冬

 米国は、地上軍を「アフガニスタン報復作戦」に投入した。目的を果たして意気揚々と撤収するのか、旧ソ連、ベトナム戦争の二の舞いになるのか

▼知人によると、青息吐息だった新聞社系の週刊誌は売れ行きが倍増。「アフガニスタン特需」で沸き返っているという。「テレビは一過性。米軍の情報統制によって現状が実際にはどうなっているのか、さっぱり伝わってこない。事実を知りたいという欲求が、情報が豊富な新聞社系週刊誌に読者を引き寄せている」と解説する

▼「米国は善、アフガニスタン(タリバン)は悪」という単純な構図の報道に、決して読者は満足していないということの表れでもあるだろう

▼上海で行われたAPEC首脳会議でも「国際テロとの対決」が呼び掛けられたが、そのとらえ方には各国の間に温度差があったようだ。それは一言でいうと「米国の自由・民主主義」による「反テロ」と、国連主導の「反テロ」ということになるのではないか。前者に日本などはもろ手を挙げて賛同したが、中国やロシア、イスラム諸国は後者の立場に立つ。二重基準(ダブルスタンダード)によって、なんとか足並みをそろえたということになるだろう

▼ソ連崩壊によって冷戦の構図が崩れた後、国際社会は一見、「みな友達」の様相を呈してきたが、実はそれは次の冷戦への準備期間に過ぎない、という見解が多い。朝鮮と一部のイスラム国家を「ならず者国家」に仕立てたのはその一里塚であり、実は中国をその筆頭に掲げているというのは、専門家たちの間では常識となっている。(彦)

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