咸鏡南道・話題の施設
人民生活向上に寄与
1990年代後半、「苦難の行軍」と呼ばれた試練の時期に建設された光明星製塩所、咸興市ヤギ牧場など咸鏡南道内の建設物が最近、朝鮮のマスコミに幾度も取り上げられ話題を集めている。何もかもが不足していた時期に奮闘した建設者の経験を見習おうと、各地から訪れる見学者も増えている。
咸興市ヤギ牧場 現在咸興市で1日に25トン生産されている乳製品のうち、10トンが咸興市ヤギ牧場のものだ。 咸興市ヤギ牧場は1996年、人民により多くの肉と乳製品を供給するという、朝鮮労働党の方針に沿って、建設が始まった。資材はもちろん食料も不足する状況の中で、まず原始林を開拓し道路をつくる作業からはじめた。現在、同牧場には、1万町歩以上の敷地に、えさ加工室、乳加工場、冷凍設備など、充実した施設が整っている。 同牧場では6000頭のヤギから搾った乳(1日約1.2トン)を加工し、粉、バター、チーズ、ヨーグルトなどを生産している。来年4月までヤギを1万頭に増やす予定だという。 今朝鮮各地のいたるところで、ヤギ牧場が建設中だ。食糧問題解決のため、同牧場の建設経験が生かされているという。 光明星製塩所 咸鏡南道の東海岸に700町歩の塩田が広がる大規模の食塩生産基地・光明星製塩所は、97年に建設が始まり99年に完成した。 元来、東海岸は西海岸にくらべ土質が悪く降水量が多いため、製塩には適していないとされていた。建設構想が浮上した際、「無謀な計画」との反対もあった。しかし、咸鏡南道の人々は道内の塩は道内で解決すると意気込み、建設に着手した。 建設作業は困難をきわめた。西海閘門に匹敵する大工事だったという。食料も、資材も不足していた。が、建設者たちは自力で完成させた。 同製塩所の食塩生産量は、99年400トン、00年1700トン、01年7000トンと、年々増え続けている。将来は年間3万5000トンを生産する予定だ。【平壌発=李松鶴記者】 |