東京朝鮮中高創立55周年記念
文化祭・記念公演・祝賀宴

「ウリハッキョはいい」 伝えたい

チマ・チョゴリを試着する日本の女子高生たち 好評だったキムチやチャンジャの販売コーナー

 東京朝鮮中高級学校創立55周年記念文化祭「アンニョンハセヨ2001」、記念公演「21世紀の主人公」、ならびに祝賀宴が27日、同校で行われ、各党の国会議員、都議会議員、都内の各区議と市議、労組など各団体関係者、教育関係者をはじめとした各界人士、日本の市民や学生、同胞、同校生徒、保護者、教職員ら合わせて4500余人でにぎわった。

手作り文化祭

日本の高校生「楽しい」

民族教育を紹介する展示コーナーで教科書を見る日本の大学生たち

 文化祭はすべて生徒たちの手作りイベント。中庭の特設ステージではチョゴリファッションショー、空手部と★(足偏に台)拳道部による演武、民族楽器の演奏、抽選会などが行われ、東京朝高が生んだスーパースター、ボクシング世界チャンピオン、洪昌守選手のトークショーもあった。

 洪選手はトーク後、「ボクシングを始めたのはこの学校だし、チャンピオン、朝鮮人として今の自分の基礎もこの学校にある。こうして来て後輩たちに接するとかわいいし安心する。彼らのためにもがんばろうと思う」と話しながら、サイン会に臨んでいた。

 特設ステージの司会を担当した梁桂亨君(高3)は「同胞たちを元気づけ、日本の人たちには民族教育の正しさ、よさを知ってほしいと思い、一生懸命に取り組んだ」と語ってくれた。

 特設ステージの周囲には生徒たちによるトック(朝鮮風雑煮)、チヂミ(朝鮮風お好み焼き)、クッパ(朝鮮風おじや)、焼肉丼、焼きそば、おでん、カレー、クレープなどの屋台が並び、終始にぎわった。チャリティーバザーのコーナーもあった。

 校舎内には民族教育の歴史と未来をテーマにした展示や民族風習の体験、チマ・チョゴリの試着コーナーなども設けられ、生徒たちの丁寧な案内が好評だった。

 またボクシング部の部室では東京朝高ボクシング部が習志野高、甲府昭和高、武相高の各校と、グラウンドではサッカー部が都立成立高、ラグビー部が目黒高とそれぞれ親善試合を行った。

 今回の特徴として、同校生徒と同世代の日本の高校生が多く訪れたことをあげられる。実に100校近い高校の生徒が足を運んだという。隣接する帝京高校3年の親盛華奈さんは「今回で2回目だけど、すっごく楽しい。朝高生、とくに女子はみんなかわいいし、違和感はない。今日はチョゴリ試着と、制服のチマ・チョゴリも着ちゃいました」と笑顔で語った。

 今回、生徒たちは手作りのチラシを手に高1は板橋地区、高2は十条と東十条、高3は池袋、新宿、高田馬場などと担当を決めて宣伝にも務めたという。

絶賛の記念公演

生き生きした姿に感動

中庭の特設ステージ前は多くの人でにぎわった

 文化会館で行われた記念公演「21世紀の主人公」。歌と踊りで同校の歩みを紹介したもので、観客の絶賛を浴びた。

 とくに民族教育の歩みを過去の映像を交えて解説した部分は、日本市民、南のマスコミや留学生に感銘を与え、60〜70年代に作られたいわば「朝鮮学校クラシック」とも言うべき曲をメドレーにした中級部全生徒の合唱、誰もが「プロ並み」とため息をついた高級部舞踊部の舞踊「竹のように」や「五太鼓と銅鑼の舞」、6.15共同宣言以降、統一へ向けて歩む朝鮮半島のニュース映像を背景に歌われた女声コーラス「統一アリラン」と日本の曲「花」などが好評だった。

 スポーツ部員が登場して自慢の「技」を見せたユーモラスな合唱「21世紀の主人公」では、洪昌守選手が在校生に肩車されて登場して客席を沸かせ、同校の「定番」である大合唱つきのリズミカルな「豊年の踊り」では手拍子も出て、大いに盛り上がった。

 感想文には、「生徒が生き生きとしていた」「みんなが一生懸命でよかった」「明るさと力強さを感じた」「自らの文化を大切にしている姿に感動した」などの声が寄せられていた。

多彩に祝賀宴

国会議員ら盛大に祝う

「生徒たちの英語力はgood!」と言っていた帝京高校の外国人講師

 祝賀宴には、羽田孜・民主党特別代表をはじめ宇田川芳雄(無所属)、海江田万里(民主)の各衆院議員、沢たまき参院議員(公明)、橋本辰二郎都議会副議長、桜井武・日朝友好促進東京都議会議員連盟会長、遠藤幸男・連合東京事務局長、北村典子・東京都教職員同盟委員長、江口済三郎・日朝友好を進める区議会議員連絡会準備会代表ら多くの日本人士が参加し、同校創立55周年を祝った。

 東京中華学校の陳哲燦校長は「公演も素晴らしかったし、私たちが朝鮮学校から学ぶことは多い。これからも相互交流を深めていきたい」と話していた。

 イベントを振り返り、生徒会委員長の韓舜吉君(高3)は次のように語る。

 「在日同胞の中等教育の歴史が55周年を迎えたが、1世、2世の同胞たちは本当に立派なことを成し遂げたと思う。今日は、そうして守ってきた民族教育の正しさ、『ウリハッキョはいい』という気持ちを日本の人たちに伝えたかった。ウリハッキョには、日本学校にない魅力がある。僕にとってそれは、このイベントでも発揮された団結力や友だちとの結束の強さだ。今日のイベントが、ウリハッキョ、民族教育をアピールするための一助になったとしたら本当にうれしい」

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