人・サラム・HUMAN

ソロリサイタル迫る

金剛山歌劇団歌手・柳展さん


 金剛山歌劇団歌手柳展鉉さん(51)。歌劇団生活約30年間の思いを込めて、ソロリサイタルを開く。

 学生の頃から歌が好きだった柳さん。平壌放送で新しい歌が流れるとマイクをスピーカーにあてて、録音していたそうだ。「学校の帰り道はいつもみんなで歌っていました。神戸朝高の15期になるのですが、歌の上手な面々がそろっていまして、校内歌合戦ではいつも優勝していました」。

 柳さんは東京朝高師範科に転校し、69年に卒業。その後宝塚初級学校の教員に。柳さんは同校に合唱部を創設した。その年に日本の県コンクールに出場し、優勝。周りをあっと言わせた。そんな柳さんの活躍ぶりが評判になり、翌年兵庫朝鮮歌舞団にスカウトされた。

 74年在日朝鮮芸術団として祖国を訪問し、そこで上演された歌劇「金剛山の歌」の主人公に大抜擢された。そのまま金剛山歌劇団員となり、80年に朝鮮民主主義人民共和国「功勲俳優」、昨年には「人民俳優」称号を授与された。

 今回のリサイタルは音響機材を一切使わないで行われる。「金剛山よ語れ」、「鴨緑江2千里」など朝鮮の歌のほかにビゼーの「闘牛士の歌」も披露される。冷麺のあまりのおいしさに柳さん自らが作曲した「平壌冷麺が1番」も聞き所だ。

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 「柳展鉉リサイタル」12月3日19:00、練馬文化センター。問い合わせは金剛山歌劇団(TEL  042・341・6411)

舞踊で民族の心を表現

大阪朝高舞踊講師 宋英愛さん

 大きな瞳に笑みがあふれた。第34回在日朝鮮学生中央芸術コンクールの高級部舞踊部門で、大阪朝高の群舞「われらは一つ」(創作)が、金賞に輝いた。

 作品指導に当たったのは、舞踊を始めて20年という、舞踊講師の宋英愛さん(28)。作品では、南北に別れた姉妹の悲しみと再会の喜びを「臨津江」の曲に乗せて表現した。

 生徒たちの指導で最も気を使ったのは、分断の悲しみと統一の喜びを理解させ、それを体で表現させること。

 そのため南北離散家族の再会や、総聯同胞故郷訪問団のビデオを繰り返し見せ、追体験を試みた。舞踊は、生徒たちを作品が描いた統一祖国へと引き込んで行く。民族衣装や叙情的な美しいメロディーも効果的。「チョソンサラムの心を表現するんです。舞踊は、4世、5世たちが民族性を育むのに、大きな力を発揮するでしょう」。

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