日本の各界人士の談話
強い疑義と憤り覚える ― 清水澄子
私たちは、このたびの朝銀信用組合に対する検察・警察当局の強制捜査に強い疑義と憤りを覚えている。日本経済の不況の波を真っ先にかぶって苦闘している朝銀信組に対して、日本の金融機関には行ったことのない「検査忌避」事由による、職員逮捕をともなうおおがかりな捜査と、これを朝鮮総聯なかんずく朝鮮に結び付けようとするマスコミ報道は、日本政府の戦争政策・朝鮮敵視政策と切り離せない民族差別・人権侵害である。 私たちは民族金融機関が、さらなる同胞の団結力で「ハナ信用組合」立ち上げに向けてこの苦難を超えて再生、前進されることを、日本社会の隣人として友情と連帯の心をもって見守っている。(朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表) 「日本の恥」繰り返すな ― 清水潤 朝銀東京信用組合本店に対して8日午後、警視庁が行った「調査忌避」を口実にした強制捜査ならびに役員と女性1人を含めた職員の「逮捕」は、日本の金融機関であれば決して行われなかった行為で、民事に警察権力が介入した暴挙と言わざるをえない。怒りと悲しみをもって抗議するとともに、法律の解釈を超えた「ある種の政治的背景」を痛感する。 このたびの警視庁の行為は日本が国際化時代にそぐわぬ「文化的な恥」を天下にさらしてしまったことになる。アジアの平和と繁栄を切望する日本人の1人として、当局側が深く反省するよう要望したい。再びこのような「日本の恥」を繰り返してはならない。(日本・朝鮮文化交流協会事務局長) 政治的意図を感じる ― 加藤毅 検察と警察は、在日朝鮮人系の金融機関である朝銀近畿、朝銀東京へのあいつぐ強制捜査を行い、マスコミがこれをセンセーショナルに報道した背後に、政治的な意図を感じざるを得ない。 政府はこの間、日朝国交正常化交渉を中断させ、過去の歴史も反省せず、歴史教科書問題、靖国神社参拝問題でも、近隣諸国との摩擦を引き起こした。公安調査庁が、「破防法調査のため」と称して、在日朝鮮人の外国人登録原票の写しを全国の自治体から大量に入手していたことも明らかになっている。 こうした文脈の中で見るとき、一連の強制捜査は、在日朝鮮人を犯罪者扱いして民族差別意識をあおっていると言えよう。(自主・平和・民主のための広範な国民連合事務局長) 民族差別、敵視が背景に ― 小笠原美都子 今回の朝銀近畿、朝銀東京に対する強制捜査、職員らの逮捕を見ていると、民族差別ではないかと思わざるを得ない。 公安調査庁が、在日朝鮮人の外国人登録原票の写しを全国の自治体から入手していたことが明らかになったことからみても、最近、日本はとにかくおかしい。米国での同時多発テロのように、何かあると在日の方々に矛先が向くような気がしてならない。朝鮮や在日朝鮮人に対する敵視が背景にあるのではないか。やはり日朝の間に国交がないから、在日朝鮮人に対する差別も助長される。そのような意味でも国交正常化が早くなされるべきだ。(日朝音楽芸術交流会会長) |