閑話休題

アフガン人の願い

自分の力で平和な国家


 アフガン情勢がめまぐるしく動く中で、アムネスティ・インターナショナル日本の主催で、パキスタン在住の2人のアフガニスタン人の記者会見が14日、東京都内で開かれた。

 来日したのは、不幸な内戦による住民虐殺事件の生存者の男性(49)と、アフガニスタン人権団体スタッフの女性(22)。

 タリバン・反タリバン両勢力による統治下での人びとの暮しなどについて話した後、「アフガニスタンの今後」について、質問に答えた。

 「今後、どのような国を望みますか?」との問いに、2人は「アフガニスタン人でできた、アフガニスタン人のための国」と答えながら、「私たちは自分たちの将来を守りたいんです。だから、自分たちの政府を作りたい」と口をそろえた。

 アフガニスタンでは、1979年のソ連侵攻以降、アメリカなどの支援を受けたイスラム勢力とソ連軍との熾烈な戦いが始まって、以来、20年以上も内戦が続いてきた。この内戦で死亡したのが、戦闘員だけで数十万人、非戦闘員を入れると200万人以上とも言われ、海外に流出した難民は600万人にもなる。

 「他国に命令されず、圧力も受けない」自らの力で平和な国造りを目指したい、との切実な願いにとても共感した。

 子どもの頃難民となって、人権団体のスタッフとして働きながら、現在は医師を目指すその女性は「今後の女性のファッション」についての質問に「ヨーロッパみたいに、アメリカみたいにしたい…という思いはまったくない」と、きっぱり言い切った。

 苦難の中でも母国に思いを寄せ、き然と生きる姿が美しかった。(潤)

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