第6回北南閣僚級会談に関する朝鮮中央通信詳報


1.

 わが方は、朝鮮半島情勢が緊張し、北南関係が曲折を経ている時に開かれた今回の第6回北南閣僚級会談でその打開策を講究し、結実をもたらすための現実的な方途を打ち出し、その実現のため誠意ある努力の限りを尽くした。

 わが方は今回、緊張を激化させ、合意事項の履行を中断させた障害物を自ら除去するよう南側に原則的な問題を提起した。また南側がわれわれを標的にした「非常警戒措置」をさらに強化し、外部から新しい戦闘機まで搬入して戦争武力を増強し、軍事境界線の近くで各種の戦争演習を行ったことを認めて謝罪する問題をめぐって術策を弄(ろう)した時も、誠実に臨むよう重ねて忠告した。

 われわれは、共同報道文の草案も主導的に提示し、合意の道を追求した。

 わが方の草案には、北南間の対話と協力、交流を積極的に発展させるうえで障害をつくり出さないように努力し、第4回離散家族・親せき訪問団を11月中に交換する問題、金剛山観光活性化のための第2回当局会談を11月20日に、北南経済協力推進委員会第2回会議を12月初めに金剛山で開催する問題、★(足偏に台)拳道師範団交換問題、第7回北南閣僚級会談のソウル開催問題などが含まれていた。

 とくにわが方は現情勢と関連し、わが人民が納得できる措置を早急に取るよう強く求める一方、共同報道文の合意のため南側に2日間も時間の余裕を与え、3回にわたる全体会談と2回にわたる団長接触を行い、数日間、徹夜で実務接触を続けながら柔軟な解決方途を再度提示した。

2.

 南側は、一貫して現在の緊張状態を収拾し双方の合意事項を履行しようとする立場ではなく、非常に誠意のない態度を取った。

 第6回閣僚級会談の場所の問題をもって不当な主張をし、1週間以上も会談を遅延させた南側は会談の前夜、われわれと絡めて「非常警戒措置」をさらに強化し、外部から武力を大々的に増強し、われわれに反対する各種の戦争演習で国の情勢を極度に緊張させた。

 南側の首席代表は会談で、「非常警戒措置」は国際テロに対応するための「予防」措置だの「南北往来者の安全保障のため」だのとお粗末な弁解を並べ立てる一方、「非常警戒措置」が自分らの内部問題であるという主張まで唱え、われわれを標的にした「非常警戒措置」を解除するようにとの正当な要求に正面から挑戦してきた。

 果ては、国防長官が会談を目前にした時期にあえて同族を「主敵」とみなすと公言したことまでひ護し、「主敵」という概念のため北南間に緊張がかもし出されるのではない、停戦状態が持続され信頼構築のない現状況で「主敵概念」は不可避であるなどと述べた。

 さらに重大なのは、6.15共同宣言の基本命題である「わが民族同士」という意味を、「国際社会との断絶」や「孤立」などと冒とく、わい曲する一方、「国際社会と協力し、外部勢力に依存すべきである」という事大売国的な妄言まで並べ立てたことである。民族的尊厳もなく、どれほど事大根性が骨の髄まで染み付いていれば、同族を傷つけようとする南朝鮮駐屯米軍の武力増強に対しても「戦力の空白を埋めるための不可避の措置」だと力説するのであろうか。

 南側の不当な態度は、第4回離散家族・親せき訪問団の交換問題討議でさらに集中的にさらけ出された。

 南側の首席代表は、あたかもわれわれが事前通告なしに一方的に訪問団の交換を延期したので実現されなかったかのように言ったが、南側が離散家族・親せき訪問団の交換を実際に妨げた「非常警戒措置」なるものを取る時にそれをわが方に事前通知したのか答えてみよと尋ねてみると、一言半句もできなかった。さらに11月中に南側で「非常警戒措置」を解除して訪問団を交換しようというわが方の提議に対し、南側は一貫して拒否した。

 わが方が南側の不当な立場と態度を重大視し、問題視するや、彼らは離散家族、親せきの再会を、安全性が保たれている金剛山で行おうと提起した。わが方は、南側が金剛山においてでも訪問団の交換を行おうと提議したことを了解し、離散家族、親せきの再会を北と南が12月10日を前後して1週間おきに2泊3日で行おうとの現実的な提案を行った。

 こうして、双方の実務者間では金剛山地域で訪問団を交換する日取りまで合意することになったが、南側の首席代表は突然自分の首の心配を先にして、離散家族、親せきの金剛山での再会の問題に反対し出した。

 彼は、離散家族・親せき訪問団の問題を不必要に第7回閣僚級会談の日時と経済協力推進委員会第2回会議の場所の問題と結びつけ、訪問団の交換が実現されなくても国会聴聞会でたたかれるようなことはないとの態度を取った。

 南側の不当な立場は、北南経済協力推進委第2回会議と第7回北南閣僚級会談の時期と場所の問題を討議する時にはっきり表れた。南側は、緊張状態がかもし出されている自らの地域で対話も往来もできないということを認めておきながら、経済協力推進委第2回会議を金剛山ではなくソウルで行おうという矛盾した主張を唱えて会談に人為的な障害をつくり出した。

 われわれは今会談を成功させたい一念から、これもまた譲歩して第7回閣僚級会談の場所をソウルにするが、日程は双方が便利な時期に決めようとの合理的な提案を打ち出した。

 われわれの正当な論理と雅量のある譲歩により、実務接触では北南共同宣言の履行意志を再確認し、離散家族、親せきの再会を金剛山で12月10日を前後して実施し、金剛山観光活性化のための第2回当局会談と経済協力推進委員会第2回会議を11月と12月に金剛山でそれぞれ行い、第7回閣僚級会談をソウルで双方が便利な時期に開くとの内容で共同報道文の草案が完成した。あとは、第6回北南閣僚級会談の全体会議で共同で確認し、発表するだけになっていた。

 ところが、この全体会議を数時間後に控えて北南閣僚級会談南側首席代表の洪淳瑛が突然、自分が南側に帰ると誰かの「尋問を受けるかも知れない」とか、誰かに「負担を与えたくない」、また「外交官としてのみ務めていたので南北関係がこんなに難しいものだとは思わなかった」、「共同報道文を合意できずに帰ってもかまわない」などと言いながら、すでに合意した事項まで全部覆す妄動をためらうことなく取った。

 このため、北南共同宣言の履行と北南当局対話の運命にかかわる第6回閣僚級会談は不要な論争の場となり、結局、結実もなく終わらなければならなかった。

3.

 南側が今回の会談で共同報道文の最終合意を故意に突然覆し、会談を物別れにさせた本心は明白だ。それは、民族より外部勢力を優位に据え、そのためにすべてを犠牲にする事大主義的根性から発したものだ。

 6.15北南共同宣言の核は、わが民族同士で力を合わせて民族の運命を開拓し、祖国を統一することである。今回の会談で取った南側の立場と姿勢を一言で評すれば、まさにこの核を捨てて宣言の基本精神からはるかに外れていることに問題があると言える。

 南側は、6.15北南共同宣言の根本精神を否定するような誤った立場と姿勢を必ず放棄すべきである。(朝鮮通信)

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