報告

性教育4年目を迎えて
ウリ学校の保険教育は教員の仕事か?!

兵庫県朝鮮学校保険校医会  姜京富


 全体会で姜京富さんが行った報告「性教育4年目を迎えて−ウリ学校の健康教育は教員の仕事か?!」の要旨は次の通り。

学校校医制の実施

 87年「在日朝鮮人学校の学校健康診断の手引き」が発行され、朝鮮学校の保健教育の体系化が始まった。それ以降、朝鮮学校での検診活動も展開され、95年4月には中央学校保健委員会が発足、学校保健活動が中央レベルでの活動へ展開された。2001年6月には「朝鮮学校保健規定」が制定され、初めて学校保健が規則化された。

 兵庫県では90年に各校保健担当教員と医師看護婦などで構成された、学校保健委員会を定例化し毎月1回教員らに対し、応急処置方などの教育や学校側からの質問を受ける場を作った。92年からは要請のあった学校に対して学父母、学生を対象に禁煙教育や性教育を実施した。93年に家庭に保健教育を進めるため学校保健通信を隔月1回発行し、現在では「ほけんだより」に名を改め月1回発行している。94年には保健授業を実施できない学校に、保健教育ビデオを導入した。97年に医師、保健婦、助産婦、看護婦らで構成された「兵庫県朝鮮学校保健校医会」が発足。98年には学校と校医会との連携をより強くスムーズにするため各学校校医制を実施した。5月には各5年生を対象とした第2次性徴中心の性教育を開始。2001年度にはモデル校を決め初級部1〜6年生まで段階に応じた性教育を実施した。

専門医の協力体制を

 しかし兵庫県下の朝鮮学校では教員の若年化がすすみ経験年数の少ない教員が増加し、保健教育が十分できないままになった。

 日本の教育現場では専門職による保健教育が実施されている。医協にも健康教育といった専門分野を積極的に担っていく姿勢がのぞまれる。

 日本学校医マニュアルの中では学校医の健康教育テーマとして@禁煙教育A飲酒及び薬物乱用防止教育B肥満防止教育C食生活の教育D休養の教育E楽しむスポーツ教育F専門家による性教育などが必要だと述べられている。これをもとに2001年度に同会では看護婦が性教育、薬剤師が禁煙・薬物防止教育、栄養士が食生活教育(ダイエット・実践栄養学)を担当し各1カ月ずつ専門家による保健教育を実施した。

 今後の保健教育方針案として@各学校担当看護婦を決め各学期に1〜2回出務して保健教育を実施する制度A上にあげた7つのテーマを専門分野スタッフによって行うことB学父母への保健授業見学案内や事後報告を行い家庭での保健教育を施すという3点をあげたい。

 最後にこの問題を医協会員のテーマとして活動し、兵庫における活動が日本各地に拡がり、医協会員、医学生らの保健教育への参画を期待する。(文責編集部)

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