総聯組織に対する不当な政治弾圧を断罪、糾弾する

日本当局 総聯中央、東京、西東京本部を不当捜索

総聯中央常任委が声明

日本捜査当局による総聯中央本部への強制捜索に抗議し集まった多くの同胞たち(29日、東京・千代田区の同本部前)

 日本の捜査当局が、朝銀東京の「検査忌避」を口実に事実無根の「業務上横領」という「容疑」をねつ造し、総聯中央本部の元財政局長を不当に逮捕したばかりでなく、29日午前、検察、警察要員を大々的に動員し、総聯中央本部、総聯東京都本部、同西東京本部を強制捜索したことと関連し、総聯中央常任委員会が同日、発表した声明は全文次のとおり。

 日本の捜査当局は、朝銀東京の「検査忌避」を口実に事実無根の「業務上横領」という「容疑」をねつ造し、朝鮮総聯中央本部の元財政局長を不当に逮捕したばかりでなく、本日11月29日午前、検察および警察要員を大々的に動員し、朝鮮総聯中央本部を強制捜索した。同時に、朝鮮総聯東京都本部ならびに西東京本部を強制捜索した。

 われわれは、すべての在日同胞の民族的な憤りをこめて、朝鮮総聯に対する日本の捜査当局による不当な政治的弾圧を断固糾弾する。

 この間、日本の捜査当局は、朝銀近畿信用組合と朝銀東京信用組合、在日本朝鮮信用組合協会と関係機関、そして朝銀の現職および旧役職員と同胞商工人に対する不当な強制捜索と逮捕騒動を繰り広げ、捜査をかつてなく拡大し、マスコミをあおり立てて悪意に満ちた世論操作を行い、朝鮮総聯と朝銀信用組合のイメージを著しく傷つけた。

 この前代未聞の捜査と検挙旋風は、在日同胞とわれわれの民族金融機関に対する民族的差別に満ちた政治的弾圧以外のなにものでもない。

 朝鮮総聯は日本の捜査当局とマスコミの不当な行為を断固糾弾し、朝・日友好親善を願う広範な内外世論は不当捜査の中止を強く求めた。

 それにもかかわらず、本日、日本当局は警察権力を動員して、朝鮮民主主義人民共和国の尊厳ある海外公民団体であり、在日同胞の権利擁護団体である朝鮮総聯の中央本部を強制捜索する暴挙を働いた。

 これは、日本の捜査当局が繰り広げた一連の朝銀捜査騒動の目的が、まさに朝鮮総聯に対する弾圧にあったということを自らあらわにしたものである。

 われわれがすでに明らかにしたように、朝鮮総聯のすべての活動は日本の法を遵守した合法的な活動であり、朝銀信用組合との取引においても日本の法に抵触することは何もない。

 今回、日本の捜査当局が強行した元財政局長の逮捕と中央本部に対する強制捜索は、客観的事実とは異なる作為によって強行された不当逮捕であり、不当捜査である。

 捜査当局の発表によれば、元財政局長の逮捕は、彼が朝銀東京に仮名口座を設け、その口座に朝銀東京が管理する資金を振り込ませたことを「業務上横領の共犯容疑」としているが、元財政局長がその口座を作れと命じたこともなければ、入金しろと指示したこともなく、そもそも彼はその口座の存在自体すら知らなかったと話している。

 元財政局長はそうした口座との関連を完全に否定している。

 彼がその口座に関わったという何の痕跡すらない厳然たる事実は、日本の捜査当局が主張する「業務上横領」の嫌疑自体が成立しないばかりか、ねつ造による何の根拠もない逮捕であったことを示している。

 元財政局長の身柄拘束も、法を不当にわい曲したものと言わざるをえない。

 彼は入院療養中の身でありながら5回も検察および警察当局の事情聴取に応じており、1年9カ月もの闘病生活を送っている重病者の身で逃亡・証拠隠滅などはありえない。

 したがって、連行・拘束する必要がない彼を、病床から引きずりだすように逮捕したことは、虚偽の自白を強要する目的をもってなされたもので、重大な人権じゅうりん行為である。

 元財政局長に対する嫌疑自体が不当である以上、それにもとづく朝鮮総聯中央本部に対する強制捜索は、いかなる法的根拠もない犯罪行為であり、朝鮮総聯と在日同胞に対する周到、かつ準備された政治的弾圧である。

 新世紀を迎えた今日にいたっても、過去を清算しないでいる日本当局が、かつての朝鮮植民地支配の直接的な被害者である在日同胞に対し、何ら謝罪も補償もしていないばかりか、かえって人倫と道徳に背く新たな民族的迫害と弾圧を加えようとしていることは、断じて許しがたいことである。

 われわれは、アメリカで起きたテロ事件を契機に、日本国内で「自衛隊」の海外派兵と有事体制確立の動きが進む中で、わが共和国を敵視し、朝鮮総聯と朝銀信用組合に対する弾圧が強行されたという事実を決して見過ごすことはできない。

 日本の捜査当局は、朝鮮総聯に対するファッショ的な弾圧行為を取り止め、不当に逮捕された人たちを直ちに釈放し、謝罪すべきである。

 日本当局は、不当な強制捜索がもたらす重大な結果について全的に責任を負わねばならない。

 在日朝鮮人運動の半世紀を超える愛国愛族の歴史は、在日同胞の団結の力で困難を克服してきたたたかいの歴史である。

 朝鮮総聯中央常任委員会は、すべての在日同胞が、金正日総書記が指導する朝鮮民主主義人民共和国の周りに固く結集し、われわれの民族的尊厳と民族金融機関をはじめ同胞の生活、諸般の民族権利を守るために、朝鮮総聯のさらなる発展と次代の未来のために、敢然とたたかっていくことを熱く訴えるものである。

 われわれは、朝・日間の友好親善を願う広範な日本国民のみなさんと世界の良識ある友人のみなさんが、日本当局の不当な強制捜索と弾圧に反対する朝鮮総聯と在日同胞のたたかいに積極的な支持と連帯を寄せてくださることを確信するものである。

在日本朝鮮人総聯合会中央常任委員会
2001年11月29日

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